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タチウオは幽霊魚 (No.309 09/01/13)

 釣友のT氏から「タチウオとアジを釣ったから食べる? 」と電話があり、イソイソといただきに行ってきた。彼が釣ってきたクーラーの中を見ると、魚の幅が指4本分はありそうな幅広のタチウオが入っている。一昨日はこれが入れ食いに近い状態で、釣れすぎた彼は途中で飽きてしまったという。クーラー一杯に釣れたから小生にもお裾分けが来た次第である。先月30日にk氏とタチウオに行った時は30人くらい乗った船で小生とK氏が奇跡的に1尾ずつ釣っただけの不調さは何処へ行ってしまったのかというほど復調したらしい。おかげで、昨晩と今朝はタチウオとアジの塩焼きを堪能できた。
 タチウオを漢字で書くと、大刀魚である。英語ではサーベルフッシュと言う。身体全体が銀色に光り、見た感じはまさに刀であるから洋の東西を問わず、タチウオは刀のイメージなのだ。だが、太刀魚というのは間違い、あれは「立魚」だ、と言い張る人がいる。理由を聞いたら、タチウオは普通の魚を違って立ち泳ぎしているから立魚と言うのが正しいと言う。魚という奴は水平に泳ぐのが普通である。立ち泳ぎなんかしていたら、何処かへ移動するにもたいへんじゃないか。本当に立ち泳ぎするのかと思っていたら、どうやらこれは本当らしい。立ったように泳いでいるタチウオの水中写真を見せられて納得した。
 またタチウオの事を「幽霊魚」とも言う。立ち泳ぎしている水中の写真は、銀色ではなく、薄黒い魚体がボーッとした風に立っていた。その感じがいかにも幽霊のようでもある。しかし、その名前の由来はタチウオは立ち泳ぎをしているくせに、移動が激しく、魚群探知機で群れを見つけても、スーッと消えてしまい、つかみ所のない魚と言われているからだ。先月30日、K氏とタチウオ釣りに行った時は影も形も見えなかったのが、T氏の時は「釣れすぎて飽きた」というくらいだから、その出没の変幻自在さが分かるだろう。パッと出て来て、スーッと消えてしまう、不思議な魚なのだ。
 それで、この頂いたタチウオ、抜群にうまい魚だから、帰ってきてすぐに塩焼きにして食べてしまった。ウロコを取る必要もなければ、ハラワタを出す必要もない。ただぶつ切りにして塩焼きにするだけの手間いらずで、ノングルメ、味音痴の小生をしても「これはうまい」と絶賛するほど美味である。いただいたのは大きな物3尾だったが、あまりのうまさと料理の手軽さから、アッと言う間に食べてしまった。
 そして、食べ終えてから「しまった」と思った。食い意地が先行して、肝心のいただいたタチウオの写真を撮ることを忘れてしまったのだ。最早我が輩の腹の中に入ってしまったものだから、その見事な姿をこのブログで紹介することが出来ない。
 従って、今日ここに添付する写真は先月30日、ほとんど交通事故のような確率で釣れたk氏のタチウオの釣果である。断っておくが、この1尾は当日東京湾口に数十隻の釣り船がひしめくいていながら、どの船も全く釣れずにいた絶不調の時の1尾である。T氏が釣ったものに比べるとやや小型であるが、その貴重さにおいてはT氏以上のものである。
タチウオは幽霊魚 (No.309 09/01/13)_d0151247_20412730.jpg

by weltgeist | 2009-01-13 20:40


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