アメリカ旅行13、アメリカで出会った野生生物 (No.239 08/11/04)

 アメリカの国立公園では沢山の野生動物に出会った。日本と違って出会う動物たちは意外なほど人間に慣れていて、すぐ目の前に出てくる。だが、それは奈良公園の鹿のようにエサで飼い慣らしたものとは違う。アメリカでは自然を飼いつける真似などしない。野生動物は人間が干渉しない範囲で「ほったらかしつつ、必要に応じて干渉していく」という考え方で管理しているのである。このほったらかしで、彼らは人間を警戒しないままに、自然な姿を保っていられるのだ。奈良の鹿のように家畜化した「偽の自然」とは根本的に違うのである。
 動物たちのほとんどは自然のあるがままで「ほったらかされて」いる。よほど助けを必要としている時以外は、手を貸さないで自分たちの野生力で生き抜く道を選ばせるのである。それが「自然」と考えるからだろう。だから、例えば山火事などが起こった場合でも人間が積極的な消火活動はしない。なぜなら山火事も自然現象だからだ。所々で山火事の跡が何の手入れもせずに放ってある場所があったが、無理矢理人間が手を加えるのではなく、自然に林が再生していくに任せているのだろう。もちろん壊滅的破壊をこうむった場合は人間の手で再生を促すことはする。セントヘレンズ火山の噴火で焼け野原になった所に植林したり、肉食動物が絶滅したことで草食動物が増えすぎて、植物の生態系が狂ってきたりすると、よその地域から肉食の狼を移植して、草食動物の生息数をコントロールするようなこともやっているらしい。
 動物たちは道路や駐車場、展望台、ハイキングコースなどのすぐ近くにしばしば顔を出すが、人間を恐れている風ではない。公園内にいるこれらの動物たちは、長い保護活動の影響で人間が自分たちに危害を加えない存在と分かっているのだ。あまり人を警戒する様子もなく、わずか数mの近距離まで近づいたものもあった。
 だが、そうだからと言って動物に接近しすぎるのはタブーである。もちろんエサをやることは禁止している。所々に「動物にエサをやった場合、100ドルの罰金」と言った警告板が立っている。動物と人間が同じ場所を共有しながら、お互いが干渉しあわない、この関係が動物に近づきすぎたり、エサをあげたりすると崩れてしまうからだ。
 今回訪ねたグランドサークルの3国立公園は、それぞれ車一台につき25ドルの入園料(7日間有効)を取られる。これをもとに公園を管理しているのだが、日本の国立公園とは比較にならないほど徹底した管理をしていた。時間がなく公園の管理の実際まで調べるところまで行かなかったが、なるべく人間の手を加えないで、自然の姿を沢山の人に楽しんでもらおうという努力が随所に見られた。すぐに森林伐採したり、観光道路を造って自然を滅茶苦茶にするする日本のような真似をしないのが羨ましく思えた。
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リスは沢山いて、家の庭から町中までどこでも容易に姿を見ることができる。恐らくアメリカで最も普通にいる「野生生物」だろう。
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こちらはシマリス。見た目は北海道にいる物と似ていたが同種かどうかは不明。すばしっこく、姿は見えても中々写真は撮りにくい。
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グランドキャニオンで出会ったエルク(アメリカアカシカ)。体重3百㎏、3m弱になる大型の鹿で、おとなしそうだが、ときどき角で人を襲うこともあるから注意せよ、と公園のパンフには書いてあった。このエルクは角が小さいからまだ子鹿だろう。大人のエルクの角は見事である。
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こちらはザイオン国立公園で夕日に染まる岩峰を撮影していたら、足下を親子の鹿が静かに歩いて行った。不勉強なため鹿の種名は不明。
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この見慣れない鹿はプロングホーンと呼ばれるアメリカ特産の走ることが得意な鹿。最高時速は88kmくらい出ると言う。アフリカのチータ並みに走れ、時速70km以上の速度で長い距離を走ることが出来るらしい。ブライスキャニオンの草原で撮影したもので、このときはのんびり座り込んでいて、スプリンターのイメージはなかった。この草原にはプレイリードッグも沢山いると聞いていたが、この日は不在だった。
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by weltgeist | 2008-11-04 22:16


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