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ネットカフェ初体験 (No.162 08/07/31)

 昨日、船釣り名人のT氏と都内某所で会った。2ヶ月ほど前に電話したとき、「来年はどこか海外の釣りに行こう」と言った言葉が、どうやら実現しそうな雰囲気になり、細かい打ち合わせが必要になってきたかったからだ。その打ち合わせ場所として選んだのは、何とネットカフェである。
 昔なら打ち合わせは喫茶店が定番であった。ネット時代の今は、打ち合わせをするにもパソコンが必要だから、これが使える場所がいい。それなら「ネットカフェがいいんじゃないの」とT氏が提案したのだ。なるほど、ネットカフェなら重いパソコンを持ち込まなくてもウエッブ上の情報が自由に読める。これはグッドアイデアである。
 だが、恥ずかしながら小生、実はネットカフェなるものに一度も行ったことがないのだ。そもそも、最先端社会の動きにあまり興味がないせいか、ネットカフェどころかカラオケも行ったことがない「田舎っぺ」なのである。つい最近になって初めて「メイドカフェ」に行き、目を白黒させて帰ってきた骨董的人間だから、打ち合わせがネットカフェと聞き、どんな所なのかちょっと期待感もあって出かけたのである。
 我々が行ったカフェは都心にあるビルの5階にあった。4階まで普通の会社だが、5階は降りたフロアーからすでに暗い。ドアを開けるとホテルのフロントみたいなところがあり、ここで最初に3時間分の料金を払う。小生にとってまったく未体験ゾーンに属することだから、東京に初めて来たお上りさんみたいに目をキョロキョロさせた好奇心の塊となって店内を見回す。
 受付の女性が「ソファ式椅子のある部屋か、マットの部屋のどちらにしますか」と二人に聞いてくる。まさかここに泊まるわけではないからソファの方を頼む。すると、それは通路の一番奥にあるスペースだと教えてくれた。狭くて暗い通路の一番奥まで行く間、左右は図書館並みの数の漫画や雑誌が置いてあり、コーヒーなどの飲み物は何杯でも無料らしい。
 我々が与えられた「部屋」は、小さな仕切りで切られたほんの狭い空間で、ソファーとパソコンが入ったらいっぱいの広さしかない。しかし、そこに二人で座ってパソコンを操作すると、狭いながら何か妙に落ち着いた雰囲気がしてくる。もし一人でこの空間にいたら、何とも言えないくつろぎみたいなものを感じるのではないかと思ったほどである。もちろん、住む家もなく毎日ここで暮らすとなれば、空しさみたいなものを感じるだろうが、仕事で忙しい人間が少しの間だけ休息するには、この場所は社会の喧噪から隔絶されて、平安な時間が楽しめる良い場所ではないかと思ったのである。
 それまでネットカフェは、パソコンに向かって猛烈にキーボードを叩くPC人間が集まる場所と思っていたのだが、これは自分の誤解であると分かった。むしろ、パソコンは主役でなく、孤独な若者の一時の逃避場所の物言わぬパートナーでしかないのだ。これは現代の都会におけるオアシスの役割をしているのだな、という思いがした。値段的に喫茶店より少し高い程度で、飲み放題、読み放題、見放題ができて瞬間的にでも社会から途絶出来るのだからいい息抜きの場となるのだ。、
 しかし、我々のように本格的にパソコンを使って、航空路やホテル、フィッシングロッジ、船宿などの情報確認に使うのは、限界があるようだ。目的のホームページにアクセス出来ても、それから先の予約などはパソコンにセキュリティが掛かっていて出来ないのだ。クレジット番号などを入力すると、後からきた人にそれを盗み取られる恐れがあるからそうした制約を設けているのだろう。
 そんなだから、最初は妙にくつろぐと感じたが、暗くて狭い空間の中で、様々な制限を掛けられたパソコンをいじっているうちに、不意に息が詰まるような感じを受けるようになった。一見すると居心地が良さそうに見えて、その実長くここにいると何か人間が不健康になって行く気がしてならないと思うようになり、急いで二人はネットカフェを出たのだった。
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by weltgeist | 2008-07-31 23:18


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