ポイントカードの欺瞞性(No.40 08/03/12)

 かって海の船釣りで魚が釣れなかった時、気の毒がった船頭さんが漁で釣った魚をお土産にくれたものである。魚が多かった昔は釣れないのはまれで、船頭さんも余裕があり、坊主に懲りずにまた来て欲しいからサービスしてくれたのだ。だが、今のように空クーラーで帰る人が多くなると、船宿もその人数に対応しきれなくなり、いつしかお土産もなくなった。そんな後登場したのがポイント制だ。船宿専用の小さな帳面にはんこを10回もらうと、次回タダで船に乗れるサービスである。魚や干物サービスがはんこで代用されるようになったのである。
 以前、高速道路のプリペイドカードは、5万円のカードを買えば5万8千円分使えた。これも船宿のポイントと同じだが、先払いして買うところが違う。船宿は先払いはないが、高速は長距離で釣りに行くことの多い小生には必携だからもちろん購入した。ところが、その後ETCが導入されて、プリペイドカードも中止となってしまった。ETCでも同じようなサービスがポイント制で残されているというが、自分で申請するやり方が面倒で、小生未だこの恩恵に預かってはいない。小生にとってETCは料金所の渋滞や小銭を出す面倒が無い、夜間割引が使えるという利点はあるが、ポイントが昔のように簡単に利用できないところが不満である。
 最近は様々な業種でポイントカードが大流行である。沢山買った人は溜まったポイント分だけ無料で買い物ができる。小生が利用するカメラ量販店のポイントは買値の10%が普通で、特別セールの場合など15とか20%になることもある。だが、これって本当に得なのだろうか。
 カメラやパソコン、家庭用電気製品などある程度高額な商品では、この割引は馬鹿にならない。しかし、ポイントカードは実際には割高な場合がある。おまけしてもらった気分になるが、元々ポイント割引を想定した価格設定になっていて実際は安くないことがあるのだ。価格情報をネットで検索すれば、ポイントを引いた値段より安い店が沢山あるのが分かる。ポイントがあろうが、なかろうがあまり変わらないのだ。
 そもそもポイントカードは自分のお店にお客を引きつけるための戦略だから、そのお店以外でポイントは通用しない。そして、溜まったポイントで欲しい商品を次に買う時は、その商品のポイントは加算されないのが普通である。ポイントで引かれることを想定し高めに設定した値段を、次回は値引き無しで買うのと同じである。そんなことなら、最初からポイント分値引きして買った方がずっとすっきりする。しかし、全てを曖昧な藪の中に入れて得した気分だけ味合わせるお店の戦略に我々は簡単にはまってしまうところに問題があるのだ。
 さらに、疑問に思うのは航空会社のマイレージカードだ。世界の航空会社のマイレージは大きく3つのグループに分かれる。ANA系の「スターアライアンス」グループ、JAL系の「ワンワールド」グループ、それにノースウエストやKLMが入っている「スカイチーム」グループだ。この3つのグループのカードがあれば、ほぼ世界中の主な航空会社はカバーできる。それぞれの会社は自社の飛行機に乗ってもらいたいからあれこれ美味しい話をするが、小生のようなリタイア人間、そうそう飛行機に乗るものでもない。まして海外など、どの航空会社になるか、選択肢は限られるから、3グループ全部のカードを持っていて、それぞれあてがわれた航空会社のカードを使い分ける方がいい。
 今回のフランスはANAカードで、航空会社から6,000マイルほどもらった。成田からパリまでの距離は片道約8,000㎞、マイルに直すと約5,000マイルである。正規チケットなら往復で10,000マイルもらえるのだろうが、ま、運賃49,800円+オイルサーチャージ+空港使用料が37,000円という超格安チケットだからこの程度でも仕方がない。しかし、国内線マイレージならどのくらいもらえるのか、これを調べたら、ひどい実体が分かった。羽田から札幌まで正規運賃で乗っても500マイルちょいしか付かないのだ。
 いざマイルを使ってサービスチケットをもらおうとすると、最低でも15,000マイルは必要である。羽田・札幌なら30回、パリ往復なら3回乗らないと使えないのである。しかも、様々な制限があり、溜めたまま使わないと数年で消滅する。札幌に数年間で30回行く人が何人いるだろうか。もちろんたまに特別サービスとして12,000マイルで乗れることもあるが、それがいつもあるわけではない。美味しそうな話をしながら、いざ使う段になるととたんにそのまやかしさが出てくるのだ。
 まして、格安航空券が盛んに出るご時世である。ソウル往復1万円台、ロス2万円台という時代に、マイレージなどアホくさくてやってられない。取らぬ狸の皮算用で、夢を追ううちはいいが、現実にはうまい話などそうそうはないはないのである。
 要するにカードは使い方で生きも死にもする。損得というより、無ければ困ることもあるから必要性は認める。しかし、カードに使われる召使い状態だけはご免である。
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アラスカへ釣りに行った時、スカイチームメンバーであるノースウエスト航空でシアトルまで行き、そこからアンカレッジまでアラスカ航空を利用したが、このアラスカ航空が何と「スカイチーム」のメンバーだった。成田・シアトルまでのマイレージしか期待していなかったのに、アンカレッジ分が加算されラッキーだった。スカイチームの良さは一度獲得したマイレージはいつまでも消滅せず、溜めておくことができる点である。窓から見えるアラスカの氷河も素敵だ。
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by weltgeist | 2008-03-12 22:36


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