安心して海外旅行できる場所がどんどんなくなりつつある (No.2095 16/01/13)

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 トルコを旅行した人なら誰もが必ず行く超有名観光スポット、イスタンブールの世界遺産・ブルーモスク付近で、新年早々の昨日(12日)、イスラミックステートISの自爆テロがあった。10人が死亡、15人が負傷したという。上の写真は2013年に私が行った時、ブルーモスク側からアヤソフィアに続く道を撮ったもので、ご覧のように沢山の観光客であふれていた。写真を撮ったこの場所から背後におそらく100mほどブルーモスク側へ行った場所で爆弾が破裂したようだ。
 トルコはシリアからの難民が押し寄せていて、政情不安になっている。昨年10月にはアンカラの自爆テロで100人ものクルド人死者が出ている。しかし、まさかこんな有名観光地で観光客をターゲットにしたテロが起きるとは思ってもいなかった。
 だがいまやテロは世界中で渦巻いていて安全な場所はどんどんなくなりつつある。年間8000万人もの観光客が来ていた観光大国・フランスも、昨年パリで二度も大きなテロがあり、安心して旅行を楽しめる場所ではなくなってしまった。欧米では恒例の年末ニューイヤーカウントダウンが銃を持った警官や兵士の警護下でようやく行われたようである。パリやベルリン、ニューヨークでマシンガンを構える警察官が警戒する今年の正月はまさに異常で、毎年世界各地のカウントダウンを報じていたおなじみのワシントンポスト紙もロンドン・タイムズ紙も今年は写真さえ載せていない様変わりだった。

 私が写真を撮った2013年のトルコでは人々はまだ平和で、何の不安も感じていないように見えた。それがわずか三年でまったく変わってしまった。こんな混雑した場所で爆弾を破裂させればすごい数の人が吹き飛ばされることは誰にも分かるだろう。しかも被害者はテロリストと何の関係もない人たちだ。テロリストは観光客を「敵」として攻撃したのだろうか。もしそうなら彼らの頭は完全に狂っていると言うしかない。こうした狂気がこれから急速に広がっていくのではないかと思うと強い閉塞感に襲われる。
 自分の主張を通そうと努めるのはいい。しかし、それが通らなかったといって何の関係もない人の命を奪うことは絶対受け入れがたい。根底には中東の特殊性があるかもしれない。宗教対立、民族コンフリクト、憎悪と憎悪の極限的対立があったにしてもそれで殺人まで正当化されない。決してこうしたテロを認めるべきではないだろう。
 憎悪は憎悪を呼ぶだけである。憎しみを忘れさせてくれるのは暖かい心のぬくもりだけだ。北風と太陽ではないが、いくら「正義の風」を強く吹きつけたところで相手の心は閉ざされるだけで何の解決ももたらされない。だが、テロリストの憎しみに満ちた心にそのことを理解させるのは極めて難しい。我々はどうやってテロを起こす人たちをなだめることができるか。考えれば考えるほど困惑と恐怖のジャングルに引きずり込まれて行く気がしてならない。
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by Weltgeist | 2016-01-13 23:59


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