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魑魅魍魎の車両保険を使って車を買い換えた (No.2058 15/03/26)

 先月の末、自動車の車両保険が切れるわずか三日前に我が家の同居人が追突事故を起こし、それからてんてこ舞いの忙しさになった。ぶっつけた相手の車は保険屋さんに任せるとして、すでに10年乗って10万㎞を越えた我が家のフィットをどうするかで大いに悩んだのである。
 格安と評判な車修理屋さんに持って行って見せたら、たいした破損でもないのに修理代が30万円くらいになりそうだという。もし修理するなら免責の10万円をのぞいた20万円が車両保険で出ると教えてくれた。10万円の出費は痛いが、直して以前の車を使い続けることはできるのだ。しかし、この際だからもう少し程度の良い車に買い換える道もある。ただし、新車はきつい。しがない年金暮らしとなると百万を超える金などおいそれとは出せないのだ。
 ここは修理してボロになった旧フィットを乗り続けるか、それとも安い中古に買い換えるか。いくつかの車屋さんを見ながら2週間ほどウジウジと迷っていた。ところがそのとき知り合ったホンダのセールスが画期的な提案をしてきたのである。「事故を起こしたフィットの修理代が30万では完全に満足いく修理はできませんよ。うちに見積もらせてください。多分全損相当を越える金額になるはずです。ですからその金額を下取り代金にして新車にしたらどうですか」というのだ。
 ホンダの修理見積もりは45万円であった。保険で車両価値は35万円と設定してあったから、これは全損をも越える金額である。この金額を保険会社に言うと全損にするなら、何と免責代の10万円も取らない。車両価格代35万円を全額出すうえに、さらに全損特約金3万5千円プラスするという思ってもいなかったことを言い出したのである。10万円の免責がとられないですむ理由はよく分からない。しかし、全損で車を廃棄するなら免責無しに35万円プラス3万5千円、さらには残った自賠責保険代金も返してくれるから、全部で40万円もらえるというのだ。
 これは「禍を転じて福となす」ということかもしれない。すでに蓄えの軍資金が枯渇しつつある我が家で、180万円以上する新車を買うことは厳しいけれど、普通ならほとんどゼロの価値しかないボロが40万円に化けるのだ。こんな裏技を教えてくれたホンダのセールスには感謝するしかない。彼に敬意を表して新車を買い換えることにしたのである。
 事故は不幸な出来事ではあったが、思いもしない好条件も与えられた。これは神が新しい車にしろと命じる天の声と解釈したのである。この決断で将来の生活が苦しくなるかもしれない。しかし、心の中には「何とかなるだろう。困ったときはきっとまた神様が助けてくれる」という楽天主義が顔をのぞかせてもいるのである。
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納車されたばかりでまだ20㎞くらいしか走っていないピカピカの新車だが、きれいなのはいまのうちだけ。車を全然掃除したことのない私にかかるとすぐに薄汚れた車になることだろう。しかし、最近の車はすごいハイテクの塊みたいで、キーもナビも、そして燃費の良さも前のフィットとは大違いなことに少し驚いている。 
by Weltgeist | 2015-03-26 23:58


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