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今日の一枚 (No.2051 15/02/14)

 まだ万全ではない病人の身だが、リハビリと体力増強を兼ねて前の山を歩き始めている。片手に杖、首からはカメラをかけて寒い中、本日もお出かけをしてみた。杖は歩くときの強い味方だから絶対手放せないが、カメラは歩くのに邪魔である。でも、カメラ小僧の私は出かけるときたいていカメラを持って出る。いつ何時良いシャッターチャンスに巡り会えるとも限らないのでカメラが手放せないのだ。
 といっても歩き慣れた前の山は見飽きた平凡な風景ばかりで、目新しい雰囲気のある被写体を見つけることはほとんどない。新鮮なイメージの写真などいつもの散歩コースで見つけるのは無理なのだ。それでもカメラを持ち出すのは、カメラ小僧だったときの習性が残っていて、カメラなしで歩くと不安になるのである。

 それでエディーバウアーのダウンジャケットで防寒対策万全な完全武装をしていざ出撃。まだ長い距離を歩けない私は、病気になる前、勝手に「初心者コース」と名付けていた全行程1㎞ちょいの簡単な林間コースを歩くことにした。
 このコースは、まず我が家の窓から見えている高低差30mほどの稜線まで登って、そこから今度はダラダラした下り坂で反対側の斜面を降りていく。そして、500mくらい歩いた所にある鳥撮りバードウオッチャーが集まるポイントのすぐ先で同じ道を引き返す。
 これでちょうど1㎞ちょっと、元気なころなら鼻歌交じりで歩けた楽勝コースである。だが、今日は稜線までの最初の登りで一度小休止を入れないと登れなかった。足がもつれるようで、運動不足による筋力低下は相当進んでいる感じだ。
 稜線からは下り坂で、折り返し点である鳥撮り屋さんたちのポイントをちょっとのぞいてみる。数人の鳥を狙うカメラマンが大砲のような超望遠レンズで盛んに小さな鳥を撮っている。彼らの望遠レンズは100万円を超える高価なものである。お金をかけた高いレンズを担いで彼らは遠い所からわざわざ鳥の撮影のためにここまでやって来ているのである。
 私の方は15分もあれば歩いて来れる近場に住んでいる。鳥撮りさんたちから見れば羨ましい環境にいるのだろうけれど、その良さを私は全く活用していない。そもそも私は鳥が苦手で鳥の撮影にまったく興味を持っていないのだ。だから鳥の写真はよほどのことがないと撮らないし、馬鹿高い超望遠レンズも持っていない。
 鳥を追うカメラマンさんたちは夢中で木々の間にいる鳥を撮っていた。しかし、私にとって鳥は自分の気に入った被写体ではない。だから、しばらく皆さんの撮影を見学してから家の方向に戻ることにした。カメラを持っているくせに鳥を撮らない私を鳥撮り屋さんは、きっと「変なやつだ」と思ったことだろう。
今日の一枚 (No.2051 15/02/14)_d0151247_1954830.jpg
 本日撮ったのは、公園の縁にある丸太に木の葉の陰が映ったこれである。どこにでもある何気ないもので、カメラを持たないで歩いていたらきっと気づかずに通り過ぎてしまったことだろう。しかし、撮る人の視点が変われば、歩き慣れた場所でも思いもしない被写体を見つけることができる。
 私はこの陰の形に何となく感性を刺激され、自分なりのイメージを固めて撮ってみた。決して自慢できるような写真ではないが、思わぬところにあった被写体を見つけられたことに自分なりに満足はしている。
by Weltgeist | 2015-02-14 22:13


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