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さようなら、Kさん (No.1980 14/05/21)

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 昨日の夕方、外出先で悲しい知らせを受け取った。わが最愛の友であるKさんが、この日の午後4時過ぎに神様のもとに召されたと息子さんから連絡をいただいたのだ。ほんの三週間前に台湾、香港へのクルーズツアーを楽しんできたばかりと聞いていたから、この訃報にまさかとわが耳を疑ってしまった。
 何で三週間前に海外旅行できた人がこんなことになるのか。信じられない事態に小生はひどくうろたえて昨日は何も手に着かない状態になってしまった。しかし、考えてみればこれはある程度予測できていたことである。
 Kさんと知り合ったのは5~6年ほど前である。その当時Kさんはすでに肺ガンを患っていた。このガンにかかったらまず助からないという恐ろしい病気で、しかもステージ3というとくに危険な状態の人だった。だがKさんはそんな病に負けることなく力強く生きていて周囲の人を驚かせていたのである。
 抗ガン剤の治療で病院の入退院を繰り返していたが、退院して自宅療養している時は小生たちと会食したり、我が家にやって来たことも何度もある。そのときは自分が重病のガン患者であることを感じさせない力強い生き方をしていたので、「すごい人だなぁ」といつも感心していた。
 一年前に担当医から「来年の桜は見られないかもしれないよ」と言われていたのが、「今年も桜が見れた」と言って先月は喜びの言葉を語っていた。我々はその明るさからこの人はひょっとして不治の病を克服したのではないかと思っていたのだ。
 というのも、先月末の台湾、香港クルーズツアーのあとも、今年はまだ海外旅行すると自身のブログに書いていたからである。最後にKさんが書いたブログは5月10日、この10日後に亡くなるなど誰が思えたろうか。だが、病気は確実にKさんを蝕んでいたのだろう。元気そうに見えても病状は次第に悪化していた。Kさんは我々の知らないところで必死にガンと闘っていたのだ。
 人は誰も遅かれ早かれ死ぬ。その人生は様々であるけれど、生きてきたこと、人生の価値は時間の長い短かいでは計れない。どう生きたかだ。量より質の問題なのである。小生よりずっと若くして旅立たれたKさんは、いつも充実した人生を送ろうと全身全霊で努力していた。だからこそ亡くなる間際まで海外旅行をし、最高の形で人生を全うしたのだ。
 人が生きるとは如何なる意味があるのか。そしてこの世に生を授けられた以上、いかにしてそれを充実させるかは各人に負わされた責務である。Kさんはそれを見事にやり抜いて、素晴らしく意味のある人生を駆け抜けたのである。
 そうしたKさんの生き様から小生はいつも自分がどう生きなければならないのか、生きる意味について教えてもらってきた。Kさんはいまきっと天国で自分の人生の軌跡をながめて「すべて良かった」と思いつつ幸せな日々を送っていることだろう。
 さようなら、Kさん。貴方との思い出は決して忘れません。小生は貴方から受けた素晴らしい思い出の数々をかみしめながら、もう少しだけこの世にとどまっています。
by Weltgeist | 2014-05-21 23:15


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