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庭でアカボシゴマダラが羽化した (No.1970 14/05/07)

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 昨日の午後、我が家の猫の額庭のエノキにさなぎでぶら下がっていたアカボシゴマダラが羽化した。別にアカボシの卵や幼虫をエノキにくっつけたわけではない。親蝶が飛んできて勝手に卵を産み付けていったものが育ったのである。小さな鉢植えのエノキにはオオムラサキの幼虫を3匹付けてある。ところがそれを観察していたらアカボシの幼虫が一緒にエノキの葉を食べていることに気がついた。この幼虫はオオムラサキに比べて、恐ろしく大食いである。猛烈な勢いでエノキの葉っぱを食べ続けるこ奴を「ガチャピン2号」と呼んで観察していたら、オオムラサキより早くさなぎまで成長したのである。
 蝶がさなぎから羽化する時間帯がどんなものか知らない。しかし、普通は外敵に襲われないためにも午前中の早い時間に羽化して、素早く飛んでいくのが望ましい。ところが今回羽化したのは午後4時近く。このあと翅を乾かして飛んでいくと夕方になってしまう。そのためか、このアカボシは長い間さなぎの殻にぶら下がっていてすぐに飛び立つ気配がない。夜までこの体勢でいる気なのだ。
 こんなに余裕のある羽化の瞬間を見るチャンスは滅多にない。カメラを三脚に固定し、通常のオートフォーカスではなく、裏面の液晶でピントを合わせるライブビューで撮影しても全然間に合いそうだ。液晶に写した像を最大限まで拡大して、マニュアルでピントをピッタリと合わせる手間のかかるやり方が十分できた。今のカメラのオートフォーカス精度はすごいけれど、それでもライブビューによるピント合わせにはかなわない。そんな撮影方法ができたのである。
 撮影している間、彼のすぐ近くにはレンズが接近しているし、小生もガタガタ音をたてて動き回っているのに奴はピクリとも動かない。そのうちに暗くなってきたので撮影も止めたが、彼は写真と同じ体勢で夜を明かしたようだ。
 気になった小生が夜10時頃懐中電灯を持って見に行ったら、同じ状態でいたからこのままの姿勢で寝ていたのかもしれない。しかし、今朝8時に確認に行くとすでに彼は飛び立った後だった。狭い猫の額庭から朝日を浴びて大空に舞い上がったのだろう。
 ところでアカボシゴマダラは中国原産の外来種で、「よそ者外来種は許せん。殺してしまえ」と叫ぶ人がいる。アカボシが来ると日本にいた在来種のゴマダラチョウやオオムラサキが駆逐されるというのが理由のようだ。確かに言われて見れば、3匹いたはずのオオムラサキの幼虫は1匹も見えなくなった。もしアカボシにやられたとすると困ったことになる。しかし、保護色で隠れるのが上手な幼虫だから、単に見つけられないだけかもしれないのだ。
 保護主義者から見れば小生が外来種を駆除しないで、飛ばしてしまったことはとても悪い行為のように見えるらしい。しかし、外来種だからという理由だけで、さながらヒットラーのユダヤ人殲滅作戦のようにアカボシを目の敵にすることには何か違和感を感じる。
 生態系の保全で在来種を守るといっても、在来種だって長い歴史の間での種間闘争、淘汰を繰り返してできあがったものである。外来種がどこかから侵入して日本に定着したものではないか。生態系が崩れるのは困るけど、「入ってきてしまったものはもう仕方がない。ようこそと言って歓迎してやっても良いのではないか」と思うのだ。

by Weltgeist | 2014-05-07 23:57


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