人気ブログランキング | 話題のタグを見る

シャッターチャンス、その2 (No.1881 14/01/12)

 今日もシャッターチャンスの話である。シャッターチャンスとは現場に居合わせたことで最良の写真が撮れた幸運なことである。昨日も言ったように、そのためにはまず「写真を撮って面白い」と思える現場に居合わせることと、それを撮るためのカメラを持っていることが大前提である。カメラについてはいまはスマホが代用できるからたいていは大丈夫だろう。
 むしろチャンスがあったときどれだけ素早く撮影できるかだ。小生、一眼レフカメラは持っているくせに携帯のカメラが今もって使いこなせない。だから、一眼をもっていないときチャンスに出会ってもお手上げである。
 その次は自分が持っているカメラの使い方について熟知していることである。ふだんからそのカメラで撮ったらどのように写るのか知っていないと決して良い写真は撮れない。とくにレンズの選択だ。今はスマホやコンデジも含めてズームレンズが大半である。出会った情景をどのような長さのレンズで撮るかで全然違ったものになってくる。レンズの特徴をよく覚えておく必要があるのだ。
 広い景色を写すなら広角だし、狭い範囲を際立たせて撮るなら望遠レンズという具合に、レンズの違いを頭に入れておく。スマホだとここで終わりだが、一部コンデジや一眼レフだとさらにシャッタースピード、絞りの選択も考慮しなければならない。
 そうしたことが身についていれば急にチャンスに出会っても、最良の感じで写真を撮ることができる。偶然ではなく、全部計算ずくめで撮ることである。センスの良いカメラマンは、そうやってシャッターチャンスをものにしていくのである。
シャッターチャンス、その2 (No.1881 14/01/12)_d0151247_23450248.jpg
 上の写真はマレーシアで新婚さんがお互いに見つめ合っているところを見つけて、これは素晴らしいシャッターチャンスと素早く撮ったものである。そして、ファインダーをのぞきながら二人が一番いい目線でにっこり笑って見ているところを選んだので、いい瞬間が撮れたと思っている。
 このとき注意したのは撮影位置が逆光気味だったことだ。露出をオートで撮れば人物は影になって黒くつぶれる。こういう場合、露出をプラス側に補正するのが一般的だが、瞬時の判断で撮らなければならなかったので、女性の腹の付近をスポット測光し、ここの露出を基準にして撮った。あとで撮れた画像を見たら女性の髪の毛や肩の線が逆光で輝いていて、このくらいの値が適正であることが分かった。
 カメラはニコンのD300、レンズは標準ズームの17-55㎜を40㎜で撮っている。妙なパースや遠近感がかからない一番標準的なレンズの長さである。二人の顔の表情が良かったので望遠レンズでバストより上をアップで撮るのも面白かったろうが、ここでレンズを交換している余裕はなかった。とにかく出会ったシャッターチャンスを皆に迷惑をかけない程度で可能な限りスピーディに撮ったものである。
 ところで、もう一つ大事なのはこうした写真を撮る場合、必ず相手の了解を得ておくことだ。パパラッチみたいな隠し撮りではなく、「写真を撮ってもいいですか」と聞いて、OKと言われたときだけ撮ることである。
 これ以外に人物を撮るなら、できるだけ自然な笑顔を引き出すようにする。よく「はいチーズ」なんて言いながら笑顔を要求している人がいるが、人はそんな言葉で笑顔は見せない。人の笑顔を引き出すにも様々なテクニックがあるのだが、今回はそこまで面倒みることはやめておく。皆さん自身が考えて、どうしたら良い表情をした人の写真が撮れるか研究して欲しい。

by Weltgeist | 2014-01-12 23:59


<< 写真を撮ることを忘れた (No... シャッターチャンスについて (... >>