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人間の行動を見つめる暇な猫たちの一日 (No.1776 13/09/06)

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 イスタンブールの公園で芝生に座って、歩いて来る人たちを見つめる黒猫が目についた。猫の前には広い道があり、そこを沢山の人が急ぎ足で歩いていく。まるで目の前を川の水が流れ下るように、人々の流れは途切れることがない。この人たちはどこへ向かうのか、目的は、そして首尾良く目的を達成できるのだろうか。黒猫はちょっと寒そうに体を丸めて、早足で歩く人をそんな風に観察しているようだった。
 この黒猫にはどこか人間を警戒している素振りがある。何かあったらすぐに逃げ出すぞと身構えているようで、猫好きの小生もカメラを持ってここまで近づくのがやっとであった。これ以上接近すると、一定の距離を保ってジワジワと退いていく。せっかく「可愛い、可愛い」と優しくなでてあげようとしても、絶対に触らせる距離まで近づけさせないのだ。それでいて、やはり人間の助けがなければ生きられないから、まったく逃げてしまうわけでもない。猫が嫌いだという人は、人の世界につかず離れずにいるこうした猫の打算的な性格がいやなのだろう。
 これとは別に世界遺産・アヤソフィア近くのベンチの上で帰り道を急ぐ人々を、同じく寒そうに見つめるキジトラを見つけた。こちらは背筋を伸ばし、道行く人を真剣に見つめている。やや太り気味のこの猫は、今日のエサにはありついたのだろうか。満ち足りた顔をしているからきっと腹は満たされているのだろう。
 小生が近づいても全然無視して知らんぷりしている。カメラを持って寄って来た人間には警戒するのが当たり前なのに全然動じる風がない。そっと手を伸ばしても少し身をよじっただけで、「うるせえなぁ、俺はいま忙しいんだ。ほっといてくれないか」という素振りで寒そうに道行く人を見ていた。
 しかし、小生は上の黒猫も、下のキジトラも同じように可愛く、好きである。猫と一口に言っても様々な性格の違いがあり、それぞれが可愛らしい。わが家のイライも興奮すると噛みつく癖は相変わらずなおらないが、猫とは思えないほどの人好きで、我々の姿を見ると犬のように全身で喜びを発揮する。そんな猫たちを見ていると、心が本当に癒されるのである。
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この猫は、以前、トルコ旅行から帰ったとき一度登場させました。これより離れたところから撮ったものです。もしあなたが猫好きならこちらこちらもご覧ください。
by Weltgeist | 2013-09-06 22:25


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