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ボストン爆破テロについて (No.1672 13/04/16)

 ボストンマラソンのゴール付近で観客を狙った爆弾テロが起こった。ちょうどマラソンのランナーがゴールインする場所なので、テレビ中継のカメラも多数あったようだ。ニュースで爆弾が爆発する生々しい瞬間を色々な角度から繰り返し放送していた。また、米国の新聞の中には「残酷なシーンがあります」という注意書きを入れて、血だらけになった犠牲者の悲惨な写真を何枚も掲載しているところもあった。
 しかし、もし政治的なテロなら無関係な一般市民をなぜ狙うのか。アメリカが憎ければ政府の役人やオバマ大統領を直接狙えばいい。今回の死亡者の中には子供までいたという。なんでそんな関係ない人を狙うのか、犯人に問い質したい気持ちだ。
 まだ犯人が分かっていない段階であれこれ推測で物事を言うのは早計かもしれないが、やり方が卑怯で、許せない。かりにこれが中東で起こっている自爆テロ、あるいはアルカイダ系の犯行だったとすれば、彼らのやり方は明らかに間違っている。敵と一般人は違う。そんなことで罪もない人を殺したら、彼は自分が信じる宗派の教義によって「お前は間違ったことをやった」と裁かれることだろう。
 しかし、アメリカではこのところ学校などで無差別に銃を乱射する人がいる。こうしたことをやる犯人は、世間に強い恨みをもっていて、その腹いせに誰でもいいから撃ち殺す。こんな精神構造を持つ人間がやったとすれば、どうしたらいいのか頭を抱えるしかない。彼らの犯罪を完全に根絶させることは不可能だからだ。
 とにかく20世紀に入った頃から人間はどこかが狂ってしまった。人を愛するとか尊重するのではなく、憎しみの対象としか考えない人たちがあちらこちらで発生している。彼らに共通するのは、殺される奴らはゴミ同然のクズと思い込んで犯行に及んでいることだ。人間の尊厳ということに心を向けることの出来ない病的な人である。
 こんな風にして簡単に人を殺す発想を持つ人が身近に増えていることが恐ろしい。今回は米国ボストンだから切迫感がないかもしれないが、現在盛んに日本と韓国に脅しをかけている北朝鮮が、ミサイルの代わりに日本の町のどこかで爆弾テロをすることもありうるだろう。現在彼らは「戦争状態になった」とわめいているからだ。戦争となれば、どんな手段を講じても敵国に攻撃を仕掛けることが正当化されてしまう。そう思うと、これは他人事では済ませられない問題である。
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*写真は事件を伝える今日の The Washignton Post 紙からDLしました。
by Weltgeist | 2013-04-16 23:49


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