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ガソリンが高くなりすぎていないか (No.1342 12/03/22)

 ガソリンがひどく値上がりしてきた。数日前にリッター154円と出ていて高いなー、と思っていたら、今日は162円になっていた。イランがホルムズ海峡を閉鎖すると脅しをかけていて、国際的に原油の値段が高騰したという。とくにアラビア湾から大量の原油を輸入している日本や韓国、インドなどは投機資金の格好のターゲットになっているようだ。
 しかし腹をたてたところで、どうにかなる問題でもない。個人的にはなるべくガソリンを使わないよう自己防衛するしかない。車はできるだけ乗らないでしのぐのだ。ところが、電車、バスなどの交通機関の運賃は元々が高めであるからこちらを利用しても節約にはならない。車も電車、バスも駄目となると、結局はどこへも行かずに家でゴロゴロしているのが一番ということになる。
 小生の場合は毎日が日曜日だから家に閉じこもっていても問題はそれほどない。しかし、仕事で車を利用する人たちはそうはいかない。いや、それどころか重油など各種のオイル類を使って仕事をしている人たちはモロに製品コストに跳ね返ってくる。昨日のテレビは温室で野菜を作っている人が暖房用燃料の高騰に悲鳴をあげていたのを放送していた。これと同じ悩みを持つ人は非常に多いだろう。
 昭和48年、第四次中東戦争勃発で突然起こった第一次石油ショック。そのとき日本はパニックになり、中東の原油依存を改めねばならないと学んだはずである。それなのに、いまだにその高依存から抜け出せないでいる。もちろん中東だけでなく、広範囲に輸入先を変えたし、備蓄も行った、さらには省エネ、脱原油も進んだけれど、それでもまだ中東がくしゃみをすれば、日本が風邪を引く構造は変わっていない。変革は中途半端なまま先延ばしされていたのである。
 今回の原油高は一時的には人々の生活を困難にはする。しかし、このことによって世界の脱原油化はいっそう促進されていくだろう。原油を使わない技術が加速度的に開発されていく契機として、危機は社会構造変革の大きな推進力となるのだ。まさに良き未来に向かっていくチャンスが危機から産み出されるのである。
 一方で産油国は第一次石油ショック以来相変わらず原油以外に国内に産業を育てていない。たまたま自国の土地からオイルが出ただけで、世界の富を集めようとする資源提供国のままである。果報は寝て待て的な国は一時的には良くても、長いスパンでみればいつかは滅びていく。羨ましい国でもなんでもない。
 常識を越えた高いガソリンは使わない、使うものか、と決意する。人がそう思えばガソリンを使わない代替エネルギーの研究開発はいっそう急激に進むだろう。危機こそチャンス。我々にとってガソリン高騰はバッドニュースである。しかし、それは未来の新たな道を開くきっかけでもあるのだ。ここで日本は底力を発揮しないとよその国に置いていかれるのである。
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by Weltgeist | 2012-03-22 23:06


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