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心地良い疲労回復 (No.1285 12/01/17)

 運動不足を解消し、メタボの予防のためにも、家の前の山を歩き始めている。しかし、健康保持を目的に歩く場合、ダラダラ歩くのはあまり効果的ではないらしい。普段よりスピードを上げて歩く方がずっと効果があると聞いた。いわゆる有酸素運動をした方がいいというのだ。だが、心臓の悪い小生はあまり急激に運動すると胸が苦しくなり、心臓が痛くなるからできない。いつもマイペースで適当に歩いている。だから、歩いたわりに効果は少ないのかもしれない。
 本日の歩行総距離は3.5㎞。約1時間半でこれだけの距離を歩くと「心地良い疲労感」がある。それは疲れても家に帰ってソファにゴロンと横になり、30分ほど昼寝をすれば、いつしか疲れも消えて行く程度のものである。まだ休めば疲れがとれるということは、多少体力的には余裕の「若さ」が残っているのかもしれない。
 しかし、仕事をしていた現役時代は、若いくせに慢性的な疲労感がいつもあった。疲れは年齢に関係ないのだ。このときの疲労は「心地良い疲労」とは異質な、精神的にだるさを伴うものだった。肉体的な心地良い疲労なら30分も昼寝すれば消えていくが、この慢性疲労は睡眠をとった程度では消えない。それどころかますます疲れがひどくなる。
 ところが不思議なことにこの慢性疲労が週末に釣りに行くと消えてしまうのだ。釣りでも体を動かすから肉体的には筋肉痛が出るほど疲れる。だが、釣りの疲れではあの倦怠感が出ない。どうも疲労には良い疲労と悪い疲労という違いがある気がする。慢性疲労は肉体的な疲労ではなく、精神的な病理からくる疲労ではないかと思われるのだ。
 車のような物は使えばポンコツになってくる。だが、人間の体はそれほどヤワではない。使えば使うほど鍛えられ、強くなるのである。以前、南アルプスの奥地で出会った山仕事の人たちは。60歳を過ぎたと思われる老人なのに、かなりの急斜面を鼻歌を歌いながらヒョイヒョイと軽快に歩いていた。毎日山に登っているから体が鍛えられていて疲れを知らないのである。
 疲れるとこと自体は悪いことではない。健全な疲労なら体は鍛えられ精神的にも軽やかになれる。問題は不健全な疲労である。この疲労は体を鍛えるどころか肉体と精神を蝕む元凶となる。だが、様々なストレスに取り囲まれた現代人は、それから逃れることができない。そうして、毎日「疲れた~っ」と言ってはため息をつくのである。
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先日公園で出会った野良猫に今日もまた会った。どうやら彼は先日の場所付近を根城にしているようだ。小生の前に通りかかったおばさんが、彼の体をなぜてやったら気持ちよさそうな顔をして、またのどをゴロゴロさせていた。この顔って、思索にふける哲学者のようにも見えた。
by Weltgeist | 2012-01-17 23:53


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