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インド・ラダックへに旅9、ラダックの人々 (No.1123 11/07/30)

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インド・ラダックへに旅9、ラダックの人々 (No.1123 11/07/30)_d0151247_2026456.jpg ナミカラ、フォツラ、ラマユルへの4泊5日のショート旅行から戻った翌日は、レーの真北にあるカルドゥングラ峠に行った。ここは標高5606m、小生にとっては初めての5600m上の世界である。峠の後ろの山は雪で覆われていて、左の写真のように黄色い看板には、この峠が車が通る道としては世界で最も高い所にあると書かれている。また、これより先はカラコルムとなり、非常に古いシルクロードへと続いているともう一枚の看板には書いてあった。昔あこがれたあのカラコルムへこの峠道は通じているのだ。
 ラダックではチベット独特のタルチョと呼ばれるお経を書いた色とりどりの小旗が、こうした山の頂上やゴンパ(チベット仏教寺院)の屋根にはためいている。カルドゥングラ峠はとくにタルチョの数が多くて、峠の横には山の斜面が見えなくなるくらい沢山ある。ラダックの人々にとってはそれだけ大事な場所なのだろう。
 しかし、我々外国人がここへ来るにはインナー・ライン・パーミット(ILP)という特別な許可証がいる。レーの町でパスポートを提示し、一日有効な許可証で100ルピー、一週間だと200ルピー払う必要がある。お金はともかく手続きは面倒である。そんな場所にわざわざ行ったのは、この峠付近には staudingeri mamaieve ママイエビいう珍しいパルナシウスがいるからだ。しかし、それはまったく不発で、ママイエビは全然姿を見せない。この日は峠観光で終わってしまったのである。
インド・ラダックへに旅9、ラダックの人々 (No.1123 11/07/30)_d0151247_2128424.jpg レーの町を歩いていると沢山の外国人観光客に出会う。多くはヨーロッパからやってきたトレッキングを楽しむ人たちで、みな3~5週間くらいじっくり時間をかけてラダックの旅を楽しんでいる。ここは世界有数のリゾート地なのである。ただし、ここにやって来ている人たちはスーツやドレスなど着てはいない。大きなザックを背負ったトレッキングを楽しむ人たちがほとんどである。
 ラダックの観光の目玉はチベット仏教の寺院・ゴンパの見学である。だが、ゴンパのほとんどは険しい山のてっぺんにあり、そこまで自らの足で登っていかなければならない。ケーブルカーもロープウエーもない。酸素の薄い山道をひたすら登らなければならないきつい観光地なのである。日本やヨーロッパのような交通手段が発達した国では、どこかへ行くにしても車や電車を使う。しかし、ラダックでは人間の持つ二本の足が主な交通手段なのである。
 小生たちは車をチャーターして峠を登ったが、驚くのはパリダカラリーのコースにしても少しもおかしくないダートを自転車でツーリングしている人達がいることだ。レーの標高が3500mだから、カルドゥングラ峠までだと2100mもの高度差を登らなければならない。それを自転車で登り切る連中の体力にはたまげてしまう。またデリーでレンタルのバイクを借りてラダックをツーリングしている人たちも非常に多かった。
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 小生にとってラダックはとても興味深い場所だった。とくにここに住むチベット族の人たちの写真をかなり自由に撮れたことが収穫だった。チベット族独特の服装をしたおばあさんやおじいさんが通りかかると、写真を撮りたいという気持ちがムラムラとわき起こる。しかし、正面きって写真を撮りたいといってもなかなか撮らせてくれないのは日本と同じである。ただ、彼らが固辞するのは日本と違って肖像権だプライバシーだといったことではない。たんに恥ずかしいのだ。その気持ちをくみとりながらもなんとか写真を撮らせてもらう。顔に刻まれたしわの深さに人生の深みを感じさせるチベットのおじいさんや子供たちの何気ない表情を撮っていると、無表情な生き物でしかない蝶の写真などどうでもよくなってきていた。

以下明日に続く。
by weltgeist | 2011-07-30 22:55


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