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2010年大晦日から2011年元旦にかけて思うこと (No.936 11/01/01)

 大晦日恒例のNHK紅白歌合戦の視聴率は瞬間最高で50.1%だったというから、日本中、テレビのある家庭の半分はこれを見ていたことになる。小生は子供の頃見て以来、紅白歌合戦を見たことがない。ここまでみんなが楽しんでいるとき、一人それを無視するのは一種の非国民といえるかもしれない。
 しかし、面白くないのだ。昨晩もちょっとチャンネルをNHKに回して見たが、出ている歌手の名前さえ知らない小生では、楽しみようがない。歌手の衣装や振り付け、舞台装置など、斬新な演出をしているのだろうが、実際、見ている方にとっては数十年前のものとあまり変わらない。十年一日のごとく同じことを繰り返していて新鮮さをまったく感じず、すぐにテレビを消してしまった。
 そうして、紅白が終わった頃、再びスイッチを入れたら、聴いたことのある音楽が流れている。マーラーの交響曲第二番、復活である。「エッ、大晦日にマーラー? 」と驚き、画面を注視するが、しばらくは誰が演奏しているのか分からない。テレビ番組表を見たら小林研一郎指揮、東京フィルハーモニー交響楽団演奏の「東急ジルベスターコンサート2010-2011 」とある。
 演奏は第五楽章の強烈な音で終わるフィナーレの部分、25分だけのようだ。画面には指揮するコバケンの姿とは別に、以前マダム・パスカルさんから教えてもらった砂に絵を描く女流画家の砂絵描きが同時進行する演出である。だが、このためどうも音楽に集中できない。
 そのうちにソプラノが出て来た。佐藤しのぶだ。だが、復活ではメゾソプラノの方が主役である。ここでメゾソプラノの林 美智子が歌うが、わが家のアナログテレビではそれが良く聞こえない。主役の林の歌も脇役佐藤の歌も、集中して聴こうと身構えると砂絵の画面に切り替わってしまうのだ。合唱も何かもやもやしていて、マーラーの力強さを感じさせない。
 そして、フィナーレの「♪~あなたはよみがえる~♪・・」といったところで画面に時計が出てきて、丁度12時に「ジャーン」と曲が終わった。砂絵もこのとき、Happy New Year ! と(画面が素早く変わったので多分? )書き終えていた。見事にジャスト零時に合わせたことは認めるが、ウーンという不満が残った。
 ま、紅白よりはいいけど、この演出では音楽家にとっても、砂絵画家にとってもかわいそうだ。どちらも中途半端で、何か総花的に「これはどうだ、こちらもすごいぞ」とやられた感じで終わってしまった。マーラーの復活とくれば、小生はアバド指揮、ルツェルン祝祭管弦楽団演奏によるDVDが最高と思っている。今回のコバケンさんの演奏がこれを越えたかどうか、テレビ屋さんの過剰演出で、残念ながらよく分からないうちに終わってしまった感がある。

 さて、2011年の年始めを前にして、今年小生が望むことは、誰もが望むのと同じようにまず健康であることだ。それ以外は多く望まない。元気で生きているだけで十分。それに少しの恵みがあればそれで満足するよう心掛けたいと思っている。だから、2011年の抱負は本当に単純である。
 とにかく健康で元気に生きていかれればそれで「良し」と心掛けるつもりだ。あれも欲しい、これもやりたいとあまり考えない。できる範囲のことを一歩一歩着実にやっていく。そういう一年であって欲しいと思っている。
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2003年、スイス、ルツェルン・フェスティバルでマーラーの交響曲第二番、復活を指揮するクラウディオ・アバド。小生の大好きなDVDの一枚で、画面の右にあるお気に入りライフログにもあげているほどである。
by weltgeist | 2011-01-01 21:59


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