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果報は寝て待て (No.917 10/12/13)

 昨日新しいヒラメ竿を買おうと発憤した。しかし、今日カタログを見たら、なんと5万円もするではないか。昨晩は「買うぞーっ」と鼻息が荒かったのだが、今日はため息が荒い。
 リタイアした無職老人のつらさ、お小遣いがないのに、昨晩は燃え上がってしまった。現実に帰った本日は身の程を知らされて、「釣りは道具じゃない。腕だ!! 」という従来からの小生の主張が、まるでゾンビのごとく生き返ってくる。そう、釣りは自分の持つ道具を100パー使いこなして初めて一人前になるのだ。最近の若い奴らはすぐに道具に走りすぎる。基本だ、基本をもっと学んで古い道具でも使いこなせ、というお説教調の言葉で自らをなだめるしかないのである。
 しかし、それにしても5万円は高すぎないか***。ボッタクリだぞ。この不景気の世の中に、そこまで大枚はたいて買う奴がいると思うのか。どの業界も高い物は売れていないのに、時代錯誤的もいいところだ。毎日が日曜日とはいえ、小生がヒラメ釣りに行けるのはどう頑張っても年間5回程度だ。一回1万円。効率と小生のお小遣いを考えるとこれは無理である。
 とりあえずヒラメ竿は諦めるしかない。それで、ヒラメ釣りができなければ、また**氏が釣ってくるおこぼれを待てばいいのだと、かなり消極的なモードになってしまった。資本投下なしに何かを得たければ、「果報は寝て待て」しかない。「♪~待ちぼうけ、待ちぼうけ、ある日せっせと野良稼ぎ~♪♪~」で、木の根っこにウサギがつまづくのを待つ以外にないのだ。
 **さん、釣れたらまたヒラメお願いします。ヒラメは今日刺身にして食べたけど抜群でした。贅沢は言いません。でも、できれば3㎏オーバーの大物をまたお待ちしています・・ [^_^]
 さて、幻と消えた「ヒラメ専用竿・****」を買わないということは、実質的には5万円の浪費をセーブ、つまりは節約したことになる。ヒラメ竿を買っていればわが家の貧弱な家計の中から確実に5万円分減っていったはずだ。小生の決断はわが家の窮状を救ったといっていいのである。
 救ったこの分を他の消費に回したらどうだろうか。もしも今5万円あったらどうする。「もし私に羽根があったら・・・、アメリカまで飛んでいくのだが・・」という英語で習った「接続法」の論法である。やはり本命のヒラメ竿を買いに走ってお終いだろうか。
 以前ある有名漫画家と食事をしたとき偶然彼の財布を見てしまった。一万円札とおぼしき札束がゴソッと入っていた。こんな人にとって5万円ははした金で、そもそも接続法で問うべきことでもない。小生のようにカツカツの困窮世帯の場合のみ、こうしたみみっちい話がテーマになりうるのだ。
 「もし小生に1億円あったら、どうするか? 」
 ウーム、間違いなくヒラメ竿は買うだろうが、他の物まであれこれ買い漁るかとなると、どうもやらないのではないかと思う。心底みみっちさが染みついている小生は、全部貯金に回し、毎日貯金通帳を見てはニタニタ笑っている気持ちの悪い爺さんになるのは間違いないと思っている。そうして結局一生使えないままあの世に行ってしまう。
 そのことで良い手を思いついた。誰か小生のところに1億円振り込んでくれないだろうか。きっとあの世に行くまで使わないで残しておくだろう。遺言で振り込み主に残りは返すよう書いておくよ。もちろん、ちょっとは使うから、1億まるまる返すのは無理かも知れないが、億万長者はそんなケチくさいことは言わないものだ。どうだろう、誰かいないだろうか・・・。
果報は寝て待て (No.917 10/12/13)_d0151247_203472.jpg
公園の植え込みの端から野良猫が顔を出していた。近寄って見ると、このブッシュの中にさらに3匹いた。ちょうどこの猫が顔を出している所だけ枝がなくなった穴になっているから、きっと毎日ここから顔を出して誰かが餌をくれるのを待っているのだろう。贅沢はできなくとも、気楽な猫生を送る優雅な連中で、幸せそうな顔をしているよう見える。
by weltgeist | 2010-12-13 21:49


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