ワーイ、今日で800回だ。2008年の1月からスタートして2年8ヶ月、書いたも書いた、塵も積もれば山となるで、多分、原稿用紙2000枚くらいは書いたことになるだろう。よくぞここまで書けたと自分でも少し驚いている。しかし、これほど回数が多いと何度も書いているようにマンネリの心配が出てくる。ややアルツ気味の小生、少し前に書いたことをすぐに忘れてしまう。それに気付かないまま、同じことを何度も繰り返して書くような、ひどいマンネリにだけは陥りたくないと思っている。とにかく気持ちだけはいつも新鮮で、手垢の付いていないテーマを書いて行きたいと心がけたい。次の目標はいよいよ、大台の1000回。これに向かって頑張って行くつもりだ。
さて、今日は3ヶ月に一回ずつやっている心臓の定期検診。◇病院の□先生に血液のサラサラ度を測るトロンボテストというものと、心電図をとって診てもらった。2003年に心臓の(大動脈)弁置換手術を受けて以来、ずっと飲み続けてきた抗血液凝固剤、ワーファリンで血液の粘度がどのくらいサラサラになったかを調べ、それに合わせてワーファリンの飲む量を調整するのと、術後心臓に変化が起きていないかを3ヶ月に一度の割合で定期的に調べるための通院である。 小生の大動脈弁は今は金属製の人工弁が装着してある。これの良さは故障が少ないことだが、血栓が出来やすいのが欠点である。昨年はこのことでずいぶん苦しんでしまった。胃内部の出血による胃潰瘍と、ワーファリンの量的管理のミスによる脳梗塞を起こしてしまったのである。 発端は、脊柱管狭窄症の痛みを取るため、ボルタレンという痛み止めを飲んだことから始まった。抗血液凝固剤、ワーファリンは血液をサラサラにしてくれるが、出血すると血が止まりにくくなる。そんな繊細な状態になっていた体のことを考えずに、脊柱管狭窄症の痛みを抑えるため、強烈な痛み止め効果のあるボルタレンを飲んだら、たちまち胃潰瘍になってしまったのである。そして、胃の出血を抑えるためにワーファリンの量を一時的に減らしたら、今度は脳梗塞になってしまったのだ。 それほど血液の粘度というものは微妙なのだ。サラサラすぎると出血しやすくなるし、普通の人と同じレベルまで高めると小生の場合は人工弁のため血栓が出来やすくなる。ワーファリンは医師が出血の危険度と血栓の危険度を常に監視しながら、バランスのとれた量を毎日欠かさず、生涯にわたって飲み続けなければならないのだ。 こんな面倒な薬を飲み続けなければ命が保証できないとは、かなり異常なことである。野生動物なら、それはもはや生きながらえないことを意味する。何の治療もやらなければ死んで当然のことなのである。この微妙なバランスを薬で保って小生が生きていられるのは現代医学の発展のおかげである。小生は日本の医療態勢には大いに感謝せざるを得ない人間なのだ。 ところで先日の日曜日に20年以上アメリカにいた医師の△さんと、アメリカに帰化してこれまた米国生活が長い*さんが、日本と米国の医療事情の違いを教えてくれた。 驚いたのは、最初の一言が「日本の医療は全然だめですね。アメリカの方がずっといい」だった。確かにアメリカは世界のトップを行く先進国だから、医療水準においてもすごいとは思っていた。しかし、日本だってそれに負けない水準はあると思っていたのだ。ところが、日本は医療の質においてアメリカにとうてい及ばないと二人はいうのである。日本はレベルが低すぎるらしい。 本日小生が行った◇病院は日本では最高と評判の心臓専門病院で、そのやり方には十分満足していたが、それでもアメリカの病院には及ばないらしい。アメリカではとにかく患者本位で、まずドクターの前に出ると、問診だけで40~50分はとるという。日本は数時間も待って先生に診てもらうのは長くて5分、ひどいときは1分もかからないことがある。アメリカではこんなことはまずないという。 日本とは診療報酬が違う(日本はいくら患者から病状を聞いても、これに対してお金はとれない)から一概に言えないが、アメリカでは患者を徹底的に診てくれるらしい。ただし、医療費が桁違いに高い。*さんの娘さんが先日アメリカで病気になり救急車を呼んだら3000ドル(今のドル・円相場で25万円くらい)というバカ高い料金をとられたと言う。しかし、アメリカではこれが常識らしい。 日本ではとてもそんな金額を出せる人はいないから、根本的に無理なのだろう。これは別なときに他のお医者さんから聞いた話だが、日本の医療は医師の自己犠牲の上に成り立っていると言っていた。毎日殺人的な忙しさに追われて、昼飯を食べ損なうのなど序の口。朝早くから深夜まで働きづくめだから、理想とするアメリカのような治療などとてもやる時間などないと嘆いていた。彼もアメリカでの医者の経験が長く、恵まれたアメリカの医療事情を思ってそう言うのだろう。 ◇病院□先生の診察はそれでも15分ほどはしっかり診てくれた。6月に行った某医科大学病院では、4時間も待って7分くらいだったことに比べれば今日の◇病院の診療態勢は満足できるものだった。しかし、日本有数の心臓専門病院だからこのように充実した診察が出来るのであって、一般の病院ではそんな余裕はないだろう。まだまだどこもひどい矛盾を抱えたまま診療をやっている所が多いのだ。 だが、現実的に自分がアメリカの病院みたいに高い病院代を払えるかといったらそれは無理である。アメリカ並みとはいかなくても、◇病院みたいな良心的な病院を自分で見つけて行くしかないのが現状である。医療問題について皆目素人の小生には分からないことが多すぎて、日米どちらがいいのかは未だに良く分からないままである。今後、この分野の勉強をもう少ししてみようとは思ってはいる。
by weltgeist
| 2010-08-16 23:57
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