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野球賭博と相撲協会のまずい対応 (N0.757 10/06/28)

 相撲の世界がまた大揺れになっている。野球賭博に関わった力士や親方が何人か懲戒処分となり名古屋場所はどうやら開催するようだ。しかし、むりやり開催したところで、満身創痍の状態では見ている方もすっきりしないものがあるだろう。
 野球賭博がどのようなものなのか小生にはわからない。処分のきつい人たちは掛け金も多ければ、常習性もあるということで厳罰に処せられたのだろうが、友達同士の内輪でやるささやかな賭け程度のものも限度を超えれば法律的には「犯罪」となるということである。
 とすれば小生もときどき法律を犯していることになる。釣りに行って、今日一番大きな魚を釣った人が帰りの食事をおごるといった賭けなどしばしばやっているし、学生時代千点10円くらいの単位で賭け麻雀をやったこともあるからだ。誰もがやっている日常的な賭けが、ここまで大きな問題になったことには、賭け金の規模が大きく、そのバックに暴力団の存在があるからだろう。
 相撲協会は、このところずっと不祥事ばかり起こしながら、その処理の仕方をいつも間違えて世間の不審を買っている。公益法人としての体をなしていないから、何かあっても内輪の問題としてなあなあで解決しようとして、失敗しているのだ。伝統にあぐらをかいていて、ガバナンスがなっていないのである。問題が大きくなる前に親方や、協会が適切な指導をしていれば始末書程度ですんだ問題が、ここまで大きくなってしまったのは、指導的立場にあった親方や協会の甘い判断があったからと思わざるを得ない。
 関取の多くは中学卒業して、相撲界に弟子入りし、そこで大人になっていく。ここで指導する親方自身がしっかりしていればこんな問題は起こらなかったろう。ところが、社会的常識を身につけていない無能な親方みずから野球賭博に入れ込んでいたというのだから指導者の資格はないと言える。社会的な常識を学ぶことができないまま幕内に入り、頂点である横綱にまで上り詰める。そうした人がその後の後進を指導する立場になる今の体制では、親方から相撲の勝負に勝つ技術は教わっても、人間性を磨き上げるという面が欠落した人間が出来てしまうのは当然だろう。
 賭博に関わった力士たちは、恐らくことの重大性を認識しないまま深みにはまっていったのだろう。そんな人たちに「相撲を止めろ」「角界から永久追放しろ」という意見が吹き出していて、彼らは寝耳に水の心境になったことだろう。やっていたことが「犯罪となる」という簡単な社会的常識さえ教わっていなかったのではないかと思われるのだ。
 しかし、どんな人間でも完全ではない。いつも間違いを犯す危うい人たちばかりである。そんななかで、「法律を破ったから追放だ」というのは酷すぎる気はする。心の底から反省している人には更正の道を残してあげることも必要だと思う。
 もちろん、「反省してます」と言いながら、内心では舌を出してほくそ笑んでいる人もいるだろう。そうした人と、真面目に反省した人とをどこで線引きするかの難しさもある。
 以前から何度もしつこく言うが、小生の信念は「人は変わることができる」である。その人が心の底から自分を反省し、立ち直ろうという気持ちがあれば、彼は以後間違いを犯すことは少なくなると思いたい。「悪い、反省してます」と口先だけで逃げる人は、また同じことを繰り返すかもしれないが、心底反省して悔い改めた人まで十把一絡げに処分するのは粗雑な問題処理法だと思う。
 なぜならこの世の中に自分が完全に正しいと言える人など一人もいないからだ。誰でも間違いを犯す。重要なことは、間違いを犯しても、立ち直る道筋を用意しておいてやることだ。それが出来るのは人を心を信じる気持ちがあるかどうかに掛かっていると思う。ただ止めろと騒ぐ人は、まず自らを顧みて一度も悪いことをやったことがないのかを問うてみるがいい。人を許し、信じることの意味をもう一度考え直してみてほしいと思う。
 小生の意見に「甘い」という人はきっといると思う。「彼らは信じられない」という人が多数いることは分かっている。しかし、それでも人を信じるということがなくなれば、人間社会は嘘が蔓延し、希望がなくなってしまうだろう。だから小生は反省した人の「良心」を信じたいと思っているのだ。
野球賭博と相撲協会のまずい対応 (N0.757 10/06/28)_d0151247_22255683.gif
本日の話題とは何の関係もない秒5コマの連続撮影で撮ったキアゲハの「お遊び写真」である。カメラが動かないようしっかり腕で支えていたが、実際にこうした連続画像で見ると、画面がひどく動いていることに自分自身が驚いている。ここまでカメラが動くとなると、しっかりした写真を撮るには三脚は必携だと思った。
by weltgeist | 2010-06-28 23:19


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