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小沢幹事長の不起訴と朝青龍の引退 (No.634 10/02/04)

 今日は大きなニュースが飛び交った。大相撲の横綱・朝青龍が引退したことと、民主党小沢幹事長の政治資金規正法違反容疑が証拠不十分で不起訴になったことだ。
 まず朝青龍の問題では、これまで5回も注意されて、そのつど「反省します。今後は横綱の名に恥じないよう頑張ります」といいながら、一般人を殴って怪我をさせたのだからこれは致し方がない。朝青龍自身が「横綱の品格」を自覚出来ず、口先だけで全く反省していなかったから今日の結果を招いたのである。彼の責任が厳しく問われなければならないのは当然だ。また、同時に彼の暴走を許した相撲協会、高砂親方などの不手際も問われなければならない。それがなければ相撲を楽しむファンは減っていくばかりだろう。
 しかし、完璧な人など誰もいないのだから、朝青龍の過ちも少しは同情される面はある。彼が今回自ら引退を申し出たのなら、若気の至りとして許してやってもいいのではないかと思う。「私は殴ってない」と弁明し、このままずるずる逃げ通すことも出来たかもしれないが、そうなると、相撲は出来ても一生悪役のイメージを背負うことになる。ここでけじめを付けたことが、彼にとっても良い選択であったと思う。外国人として馴染みのない相撲世界の呪縛から解放された彼は、おそらくさばさばした気持ちになれたのではないだろうか。
 その一方で小沢幹事長は今回は証拠不十分で逃げ切った。「自分は潔白で、何ら疑われることはない」と胸を張っている姿は、前日までの朝青龍と同じく自らの責任を逃れようとする態度がありありの印象をうける。現代の司法制度がどのようなものか素人の小生には分からないが、証拠不十分で不起訴ということに納得がいかない思いがする。証拠がないからといって彼の嫌疑が晴れたわけではないのだ。
 一般理念として政治家は常に自身が清潔であり、国民から信頼される人であって欲しい。秘書がやったことだから自分は知らないといっても、4億円もの大金の動きを知らず、しかも政治資金報告書に記載していなかったことはどう考えてもおかしい。庶民はわずか1円でも安い方に走る。そんな庶民感覚からすれば、小沢幹事長は嘘をついているとしか思えない。たとえ証拠はなくとも、我々は、小沢幹事長の責任は追及されるべきだと思う。もし彼が偉大な政治家であるなら、こうした嫌疑をうけただけでも我が身の恥と受け止め、議員辞職すべきではないだろうか。いつまでも居座って国民を愚弄することは止めてもらいたいものだ。
 我々が求めているのは、将来に希望を与えてくれる政治家である。国民に夢を与えて引っ張っていかなければならないトップが法律違反すれすれのことをやっていて、涼しい顔をしているなんて情けない。いままでは自民党が同じようなことをやっても諦めていたところに、今回民主党が登場した。国民は民主党に期待していたのだ。それが政権を取ったら自民党と同じになって、小沢幹事長を擁護していく立場をとったりすると、もはや民主党にも期待は出来なくなる。もし民主党が自民党と同じ穴の狢(むじな)と分かれば、次回の選挙で国民が手痛いしっぺ返しをすることを覚悟しなければならないだろう。
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朝青龍は自らの至らなさから生じた事件の責任を最終的にはとった。これで一旦落ちきっていた彼の株も多少は上がるのではないだろうか。ただし、それは彼が今回の件で「心から反省している」と思っていることが前提である。本人は辞めたくないのに、回りから「辞めろ」と言われて、嫌々ながらやった、つまり、本心ではまったく反省していないとすれば、また同じような間違いを犯す可能性がある。我々はそれが彼の心からの謝罪であることを信じて、彼の今後に期待したい。
一方で、まったく反省の気持ちを感じないのが民主党、小沢幹事長だ。今日地検特捜部は有罪に持ち込むまでの証拠が見つからなかったとして、不起訴処分にした。彼は検察と戦い勝ったと思っているかもしれない。しかし、国民の不信感は全然ぬぐえていないことを理解すべきだ。こうした不正義が国のトップでまかり通るようであっては日本の将来は暗いと思わざるを得ない。
*添付した画像は19時のNHKニュースからキャプチャーさせてもらいました。

by weltgeist | 2010-02-04 23:18


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