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明後日から旅行のため一時留守をします (No.1629 13/02/21)

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 小生たちは明後日から10日ほど旅行に出かける。そして、そのすぐあとBさんたちが3ヶ月間アメリカに一時帰国する。我々が西の方に出かけている間にBさんたちはアメリカに行ってしまうので、お互いに会えるのは今日が最後ということで、今夜はBさん宅でディナーのご招待を受け、その後いつものようにメキシカントレインを楽しんできた。
 アメリカではとてもポピュラーなオセロゲームであるメキシカントレインのやり方に小生もようやく慣れてきたが、それでも頭を使わないと勝てない。ボケが著しい小生、頑張ったつもりだったが、やはり今日も最後の結果をみたらびりっカス。ボロ負けだった。
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 日本に永住すると決めて購入した中古の家は、Bさんの日曜大工でまさに新築のようにきれいになっている。サキソフォンを吹くBさんがコレクションしているサックスの置物をバックに旅行前最後の記念撮影。信じられないほど仲の良いBさん夫妻と知り合えて我々は本当に幸せだったと思う。Bさん、どうかアメリカの旅を楽しんできてください。我々も小旅行楽しんで来ますから。

次の書き込みは3月4日の予定です。
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by Weltgeist | 2013-02-21 23:58

聖ゲオルギウスとセント・ジョージ (No.1628 13/02/20)

d0151247_215722100.jpg 現在のイギリスの国旗、いわゆるユニオン・ジャックは、イングランドの国旗(白地に赤い十字のセント・ジョージ・クロス)と、スコットランドの国旗(青地に白い斜め十字のセント・アンドリュー・クロス)の組み合わせに、さらにアイルランドの国旗(白地に赤い斜め十字、セント・パトリック・クロス)を組み合わせた複合的なもの(左参照)だということをご存じだろうか。白地に赤丸の日の丸とは違って、複雑な大英帝国成立の過程でできた産物なのである。
 このなかでも中核をなす旧イングランド国旗、セント・ジョージ・クロスの由来がちょっと面白い。セント・ジョージとは欧州で言われる古代の聖人・聖ゲオルギウスの英語読みで、実は彼の出身はイングランドではない。遠く離れた小アジア、トルコのカッパドキアだと言われている。イングランド人ではなく、トルコ人なのである。だが、この英雄は欧州ではたいへん人気があり、いつの間にかイングランド人に取り入れられてしまったのである。
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 聖ゲオルギウスが登場するのは古代ローマ時代末期である。トルコ、カッパドキアに毒のある息を吐いて人に悪さをする竜がいた。竜は人間に生け贄として子供たちを差し出すように要求し、街の子供はみな竜に食われてしまう。そして最後に残った王様の娘を差し出すまで治安が悪化する。そこにやってきたゲオルギウスが槍で竜をやっつけて、王の娘を救うのである。
 日本で言えば鬼退治に向かう桃太郎のようなものである。きっとカッパドキアには山賊のような悪党集団がいて、ゲオルギウスがこれを退治したのだろう。ところがゲオルギウスがキリスト教の聖人とされるには単なる悪竜退治では終わらない続きがあるからだ。キリスト教の信仰心が厚かったゲオルギウスは半殺しにした竜を人々の前に出し、「お前たちがキリスト教徒になると約束すれば竜を殺して永久に悪さをされないようにしてやる」と言うのである。
 助けられた民衆はたちまちゲオルギウスの言葉を受け入れてみながキリスト教に改宗する。ところが王だけが娘を助けてもらったにもかかわらず頑なにキリスト教を拒む。為政者にとってキリスト教は具合の悪い宗教だからこれが広まったらたいへんと思ったのだろう。ゲオルギウスを捕らえて拷問にかけるのである。しかし、神の加護で守られていたゲオルギウスは王妃を改宗させることには成功するが、最後は王に首をはねられて殉教する。
 悪をやっつけ人々をキリスト教に導きながら、自らは異教徒の王に斬首されるというのは悲劇の英雄伝説としては最高のストーリーである。こうしてゲオルギウスはカソリックの聖人の一人として「黄金伝説」に登場するようになる。イングランド国旗の赤い十字はこのときのセント・ジョージの殉教の血を表しているのである。
 聖ゲオルギウスの伝説を扱った絵画はラファエロなど沢山の画家が描いているが、フランス北東部、アルザス地方の小都市、コルマールのウンターリンデン美術館にあるファイト・ワーグナーの彫ったベルクハイムの祭壇彫刻( Veit Wagner / Le retable de Bergheim / 1515-1517 / Musée Unterlinden, Colmar )は、彫刻で聖ゲオルギウス伝説をうまく伝えている。4枚のパネルからなる祭壇画の左パネルで聖ゲオルギウスの物語を一枚の板に見事に彫刻している。
 長い槍を持った騎士が竜を倒し、生け贄にされそうになった王の娘と上の窓から王様夫妻が顔を出している様子が彫りの深い物語風彫刻となっていて素晴らしい。そして槍の先を注意して見ると、セント・ジョージ・クロスの元となった旗が付けられているなど、細かいところまで実によく彫られた傑作である。
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by Weltgeist | 2013-02-20 23:55

希望こそ人生を切り開く原動力である (No.1627 13/02/19)

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 世の中は様々な顔を持っている。にこやかな顔もあれば怒りや憎しみに燃えた顔もある。だが、こうした様々な顔は実は受け取る側の反映である。自分が憎しみを感じていれば鏡に映る像のように憎しみの顔が返ってくる。喜びの人には喜びが返ってくる。これが世の習わしである。それなのに、人はこのことに気がつかない。
 写真の新婚さんはお互いがにこやかに顔を合わせ、結婚の口づけをしようとしている。ここには憎しみとか怒りの入る余地はない。なぜなら今の二人の心は愛に満ちているからだ。人はいつもこのような幸せな気持ちで世界に向かえば、世界は幸せな顔を見せてくれる。
 人生にとって最良の時を迎えたこのお二人が、ここで感じたお互いを思いやる心をいつまでも持ち続ければ、末永い幸せな人生を構築できるだろう。初心忘れずに、相手を敬い大切にすれば幸せはやってくる。ただし、人間の欠点はそれを長く持続できないことだ。
 ともすれば愛は一時の熱病のように消えて行くかもしれないが、大事なことはその気持ちをずーっと辛抱強く持ち続けることである。不満なこと不愉快なことがあっても、それは自分の中にとどめて、決して外に出さない。愛に満ちた人の周りには愛が集まり、不満を言う人にはいつも倍加された不平不満が集まってくる。気持ちの持ち方で世界は明るくも暗くもなるのである。

*今日は帰宅が遅くなったので、15分でこの文章を書きました。ちょっとまとまりを欠いた文章になったことはご容赦ください。
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by Weltgeist | 2013-02-19 23:57

自動車保険の継続契約 (No.1626 13/02/18)

 車の任意保険がまもなく期限切れを迎え、保険会社から継続案内の資料を送ってきていた。しかし、性格的に保険の手続きのような面倒なことが嫌いな小生、放っておいたらいよいよタイムリミットとなり、嫌々ながら手続きを始めることにした。といっても細かい字で書かれた資料を見るのは嫌なので、あまり深く考えずに前年と同じ契約を継続することにした。
 ところが申し込み用紙を見ているうちに昨年とまったく同じ契約内容なのに7000円ちかく保険料が上がっていることに気がついた。いままで無事故で保険も使ったことがないから割引率は最高の20等級である。また車両保険は車の年式が古くなるからかえって安くなるはずなのに、どうして保険料が高くなるのか。
 これはおかしいと考えて保険会社に電話してみた。すると思いもかけないことが続々と分かってきたのである。第一は年齢の問題だ。小生、昨年の10月で70歳になった。これがネックで、70歳の大台を超えると保険料が大幅にアップするのだそうである。年寄りは認知症の心配があるし、運動神経なども鈍いから事故を起こす確率が高くなる。だから保険料も高くなるのだという。
 何とも理不尽な制度である。69歳と70歳ではわずか1年しか違わないのに、保険料はぐっとあがってくるのだそうだ。思わず「それってひどい話じゃないですか」と言ったら、保険会社の女性はウッと詰まったような声をしたあと、しばらくして素晴らしい助け船を出してくれた。「お客様、現在お車を一番頻繁に使う人は他にいますか」と聞いてきたので、「妻が買い物用として毎日使っている」というと、「それなら保険の契約者を奥様にすればまだ70歳未満で保険料がお安くなります」というのだ。
 この制度、頭が鈍くなっている小生によく理解できないところがあるのだが、車の所有者は小生でも保険の名義人を妻に変えても割引等級は変わらない。しかも妻はゴールド免許。そうなら割引率はさらにアップすると言うのだ。もちろん妻名義の保険で小生が事故を起こしても保険は適用になる。つまり名義を変えただけなのに保険料が1万円近く安くなり、今までと全く同じ保証がされるというのだ。ということは、保険を継続する本人がブルー免許の「前科者」でも、奥方がゴールドならこれに変えれば保険料が安くできることになるのである。
 どうも保険はこういうことを知らず、あとで損に気づくことが多すぎる。たとえば、昨年、ロンドンから戻ってきたとき羽田駐車場でバッテリー上がりで車が動かなくなり、JAFを呼んで1万5千円も払った。これも最初に保険屋さんに電話すればロードサービスで無料だったことが後で分かったのである。
 保険の申し込みにしてもインターネットで継続手続きすれば5000円安くなる。今回は色々奥の手を教えてもらって最初の見積もりから2万円近く安くすることができた。保険屋さんはこういうことを教えたがらない。分からないことはしつこく質問し、各種のお得な「特典」をじっくり調べればまだまだ安くなりそうなことが沢山ありそうである。保険は面倒がらず全部をよく理解し、上手に使うべきだと心底反省した次第である。
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by Weltgeist | 2013-02-18 23:57

ロシアの隕石落下とエルギギトギン湖 (No.1625 13/02/17)

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 ロシア中部チェリャビンスク州で直径17m、1万トンくらいの隕石が落下したと大騒ぎになっている。現代科学なら軌道計算して何日頃どのくらいの小惑星が地球と衝突するくらいは前もって分かると思っていたら、石が小さすぎて分からなかったらしい。もっとも前に分かっていたら地球全体がパニックになったろうから今回のように突然降ってくる方が怖いけど精神的には楽かもしれない。
 NASAの分析によると、隕石は火星と木星の間にある小惑星帯から飛来し、秒速18キロで大気圏に突入。ロシア南部の上空20~25㎞で爆発して幾つかの破片に分かれ、落下したときには広島型原爆の20倍近い300キロトンのエネルギーを伴う衝撃波が発生したという。現在、負傷者は1100人もに及んでいるというからたいへんな事件である。
 だが、実はこんな隕石は小さい小さい、ロシアにはもっとどでかい隕石落下事件があるのだ。その手始めは1908年6月30日中央シベリア、エニセイ川支流のツングースカ川上流に「落ちた」とされるツングースカ大爆発である。このとき落ちてきたのは直径60-100m、重さは10万トンくらいの天体が地表から6-8㎞上空で爆発し、半径約30㎞にわたって森林が炎上し、1000㎞以上離れた家の窓ガラスが吹き飛んだらしい。さらに落下時の閃光はヨーロッパでも見えて、真夜中のロンドンで新聞が読めるほど明るく輝いたというからすごい。
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 ところがロシアにはそんなものも吹き飛ばすさらにすごい隕石の落下跡があるのだ。ロシアの一番東の端はベーリング海峡で米アラスカ州と隣接している。このとんがった極東の端はチュコト半島と言われている。ここにエルギギトギン湖という変わった名前の湖がある。この湖、今から300万年前に地球にぶっつかった隕石の衝撃でできた穴と言われている。
 エルギギトギン湖は北緯67度29分という北極圏にある直径12㎞の丸みを帯びた形をしていて、一年の大半は厚い氷で覆われているが、ここには独自の生態系があり、この湖だけにしかいない三種類の非常に変わったイワナがいる。それも普通のイワナとは根本的に違った常識破りのもので、ちょうどギアナ高地と同じように周囲から隔絶した独自の生態系を保つ特異な場所となっている。
 一番変わった魚は、スベトビドービという名前が付けられていてイワナに近いけれど口がイワナほど大きくはなく、胸のヒレがトビウオのように長い魚である。真っ黒な色をしていて別名をロングフィンチャーとも言う。チャーというのはイワナの英語名なので、文字どうりヒレの長いイワナという種だが、どうやらイワナ属にも分類されない謎の魚である。もう一種も変わっていてこれはエルギティクスという名が付けられている。一応イワナ属に分類されるが、イワナというよりイワシのような姿をしていて、エルギギトギン湖にしか生息していない特別変わった魚である。
 さらにもう一種ボガニダエというイワナもいるが、こちらは周辺の湖にも生息しているので固有種ではない。しかし体長が1mもある巨大な化け物イワナであるところがまたすごい。こうした変わった三種のイワナがいるエルギギトギン湖は非常に特別なイワナ釣りが体験ができる湖なのだ。このことに興味を持った小生、1980年代後半の頃当時のソビエト科学アカデミーのイワナ研究者からエルギギトギン湖の三種のイワナを含む、シベリアの沢山のイワナの写真をもらっている。
 最初にソ連から送られて来たこれらのイワナの写真を見たときは衝撃的だった。あまりに姿形が違うイワナが直径12㎞の湖にしか生息していないことに驚いたのである。そしてその写真を釣友である作家の夢枕貘さんに見せた。すると貘さんも驚いて「ぜひこいつを釣りに行こう」と二人で盛り上がったのである。しかし、盛り上がったとて簡単に行けるところではない。あのころのロシアはソビエト崩壊直後の混乱の最中にあって、極東地方の辺境は行くこと自体が極度に困難だったのである。
 91年にカムチャツカへ行った経験から、ロシア北極圏にあるエルギギトギン湖はとても個人で行ける場所ではないと半ば諦めていたら、貘さんがNHKに声をかけた。「ぜひエルギギトギン湖へいって、謎のイワナを釣ろう」という企画にNHKが乗ったのは貘さんの力があったからだ。すぐに企画が通り、「貘さんのイワナのギアナ高地攻略」計画は実行に移された。
 ところが、この時点で我々はロシアという魑魅魍魎の世界に引きずり込まれてしまったのである。エルギギトギン湖は一番近い街であるマガダンから400㎞あり、移動はヘリでしか行かれないのに、現地にポンコツのヘリはあってもガソリンは配給されないから無いのだ。その当時アラスカ大学の地質探検隊が非常に困難な状況下にようやくエルギギトギン湖へ行けた記録を読むとヘリのガソリンを手に入れるためロシア人が夜中にアエロフロートの定期便からガソリンを盗み取った話まで出て来る。それほど厳しい場所だからヘリの手配がなかなかできない。
 そして、ロシアの旅行社はこちらの足もとを見て、毎回見積もり金額を上げてくるのだ。最初は全てひっくるめて600万円くらいで請け負うと言っていたのが、800万になり、1000万、1200万、そして1400万円まで上がったところでさしものNHKも根をあげてしまった。1400万ですめばなんとかなったろうが、モスクワから得体の知れない「コーディネーター」という男が出て来てさらに金額が上がりそうになって計画はポシャってしまったのである。
 その後、夢枕さんは何度かNHKと交渉を続けているが、未だにこの計画は実現できていない。昔と違って現地もだいぶ良くなったとは思うが、今年もまだ計画はなさそうである。小生も貘さんもここまでこだわったエルギギトギン湖の謎のイワナ釣り、今年の隕石落下事件でなんとか再開してくれないかと密かに思っているのだが、多分まだ無理なんだろうなぁ・・・。
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by Weltgeist | 2013-02-17 23:56

旅行中のペットはどうするか (No.1624 13/02/16)

 来週末から10日ほど旅行することになった。そうなると困るのがイライのことだ。まさか10日間も家に放っておくわけにもいかない。こんなときはペットホテルに預けるか、誰かに見てもらうしかない。簡単なのはペットホテルだが、以前、何度かここに預けたら猫の性格が変わってしまって悩んだことがある。
 見ず知らずの業者に預けたあと猫がどのような扱いを受けたのかは分からない。しかし、戻ってきて受け取った猫は何かに怯えているようで、明らかにひどい扱いを受けたとしか思えない症状をしていた。こんなところに預けたことに後悔したので、今回はできたらペットホテルは避けたいと思っている。
 だから誰か面倒をみてくれる人を見つけようと思っているがこれが簡単にはいかない。生き物を預かるのはたいへんなことなのだ。理想的なのはイライが大好きなBさんのところに預けることだが、まずいことに彼らも再来週から三ヶ月ものあいだ米国に帰国して留守にするから頼めない。ちょうど同じ時期に家を開けてしまうのだ。あとは同じような子猫を飼っている妻の姪っ子に頼むかどうか思案中である。
 だが、人に預けるということは責任をも押しつけるわけで、もしイライが預かり先から脱出して交通事故にでもあったらと思うと、簡単には引き受けられないだろうし、こちらもなかなか言いだしにくい。
 そう考えると慣れた専門のペットホテル業者に頼むのが一番かもしれない。少々扱いが悪くて性格が変わろうと、安心感はある。出発まであと一週間、まだどうなるか決めてはいないが、脳天気なイライはこちらの悩みなどまったく感じることなく、今日も部屋の中を縦横無尽に飛び回っている。やれやれ、親の苦労子知らずである。
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by Weltgeist | 2013-02-16 20:30

開けゴマ、 Open sesame (No.1623 13/02/15)

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 「お客様の暗証番号を入れてください」。カードで買い物をするときこう言われてまごつくことがある。パスワードが沢山ありすぎてどれだったか忘れてしまうのだ。IT時代になって様々なカードをパスワードで管理するようになった。クレジットカードから銀行のキャッシュカード、さらには各種会員券や航空会社のマイレージカードまで多数あるし、PC上ではWIFIやプロバイダーとのログインパスワード等々、非常に多くのパスワードを設定しているのが当たり前になっている。
 皆さんはいったいどのくらいのパスワードをお持ちだろうか。最も少ない人でも多分2~3個はもっているだろう。そしてその管理をどのようにやっているだろうか。パスワードを沢山作るのは安全を分散する意味では良いかもしれないが、管理が面倒で混乱のもとともなりうる。沢山ありすぎるパスワードは忘れる可能性も高くなるのだ。だから一番忘れにくいものを一個だけにしておくのが簡単ではある。
 しかし、もしそれが誰かに盗みとられたら、すべてのことが危険にさらされることになる。覚えやすい番号にしておくのも同じだ。銀行などは電話番号や誕生日など分かりやすいものは避けてくれと注意している。といって他の番号にすれば忘れやすくなる。分かりにくいものをできるだけ分散するという矛盾したものでないと安全性がなくなるのだから困ってしまう。
 結局小生は10通りはあるパスワードをメモ書きして残している。しかし、そのメモを泥棒が見つければ全て破られることになる。だがメモを残さなければ今の小生の記憶能力ではたちまち全てのパスワードを失念して身動きのとれないことになるだろう。どこかにまとめてメモすることは仕方がないのだ。
 ところが、最近はメモを見られなくてもパスワードを盗みとることができるようだから困ってしまう。悪党どもの技術レベルも日々進化している。昨日書いた小生のヤフーオークション詐欺事件では、半角英字を含む8文字もの長いパスワードを、ランダムな文字列を数万回試すソフトで破られたものだった。8文字程度まで解読できるのだから4桁数字のキャッシュカードなどやる気になれば簡単に解読できるはずである。それにもかかわらず、我々は一度パスワードを設定すればもう安全と思ってしまう。
 アラビアンナイトでアリババが言う世界最初のパスワードは「開けゴマ Open sesame 」であった。昔はそんな単純なパスワードだったから、アリババはメモも必要なく管理できたろうが、パスワードが入り乱れる複雑な現代ではそうはいかない。パスワードを書いたメモを入れたファイルを開けるためのパスワードを設定するといった馬鹿げたいたちごっこが必要な時代になってしまったのである。
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Bさんの週一英会話個人授業となった本日もイライがご覧の通り大喜びで、Bさんにまとわりついている。エサをやっているのは小生なのに、Bさんの方がお気に入りなのだからまいってしまう。まるで犬のような猫である。
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by Weltgeist | 2013-02-15 23:42

コンピュータ犯罪の恐ろしさ (No.1622 13/02/14)

 他人のコンピュータから殺人予告をやった犯人が捕まった。他の人になりすまして犯罪をやるからにはよほど世の中を調子よくすり抜けていくスマートな奴と思っていたら、現実に捕まった犯人は意外にのろまそうな30男だった。現在は逮捕容疑を否認しているというから彼が犯人かどうか、はっきりはしない。しかし、かりに彼が真犯人だとすれば、ネット上では格好よくふるまっても現実世界では単なるオタク人間なのだと分かり、バーチャルと現実とのギャップを感じた。
 最初にIPアドレスから「犯人」として誤認逮捕された人にとっては、これで少しは気が晴れたかもしれない。知らない間に自分のパソコンが乗っ取られ、犯人の悪事に荷担させられ、挙げ句の果てに警察からは「お前が犯人に間違いない」と決めつけられた。幸いえん罪であることが分かったから良かったものの、もし分からなかったら一生を棒に振る恐れさえあるたいへんな事態である。
 今回の事件で感じるのはその悪質さだ。自分の罪を人に押しつけておいて平然とする精神構造は小生の理解の範疇を超えている。悪いことをしてもそれはバーチャルな世界の出来事で、現実の歯止めを感じないまま犯罪行為を繰り返したのだろうか。
 一部マスコミは逮捕前から彼のことをマークしていたようで、猫カフェで猫と遊ぶ「犯人」を隠し撮りしていた。犯人の方は捜査の手が迫っていることなど少しも気づかず、のんびりした日常生活をこなしている。泳がされている犯人をテレビ局のカメラが記録しているところを見ると犯罪者の心理が見えて興味深い。
 彼はまさか自分が捕まるとは思っていなかったようである。しかし、今は自分の行った犯罪行為がいかほどの物かをかみしめていることだろう。無実な人が犯罪者に仕立て上げられたショックに比べれば、それでもまだ甘いものだろう。しかし、彼は今こそ重大な罰を受けなければならない。
 インターネット時代になって犯罪も、昔とはまったく違ったものが登場してきている。自分は犯罪には引っかからないぞ、とかたく注意していても常識を越えたやり方で簡単に引っかかってしまう。油断など少しもできないのである。実は小生も以前、ヤフーオークションのIDを不正に使われ、知らない間に自分がオークション詐欺の犯人に仕立てられたことがあるのだ。このときは、目に見えない犯人から小生が選び出され、24万円もの現金を口座から引き出されてしまった。この経緯はこちらに書いたので「人はこうやって騙されるのだ」ということに興味のある人は参考にしてほしい。現在のIT社会では思いもかけないことで自分が犯罪に巻き込まれてしまうのだ。
 注意せよ、といっても、注意しきれない犯罪がうようよあるのが現在のIT社会である。注意せよというのは無駄かもしれないが、そう言うしかないのが現実である。
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小生、猫好き人間に悪い奴はいないと信じていたが、今回の「犯人」はどうやら猫好きだったらしい。猫には優しくても、犯人に仕立て上げた人たちには愛情のひとかけらも感じない。そんな犯人の精神構造は病んでいるとしか言えない。
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by Weltgeist | 2013-02-14 23:58

本を読むことについて (No.1621 13/02/13)

 一生の間に人はどのくらいの本を読むのか知らない。もちろん人様々で、猛烈な数を読む人もいれば、全然本を読まない人もいる。しかし、なぜか世間では「本はできるだけ沢山読んだ方がいい」という暗黙の了解がある。本を読まないと人は馬鹿になるとか、社会から置いて行かれるという不安をあおる気持ちがどこかにあって、本を沢山読んでいる人ほど偉そうに思われる風潮があるようだ。
 しかし、これくらい馬鹿げたことはない。本はただ沢山読めばいいというものではない。数ではないのだ。たとえたった一冊でもいい。自分の心にグサリと突き刺さって、自分の生き方を変えるような本に出会った人は幸せである。あれも読んだ、これも読んだというくだらない多読主義から抜け出して、自分が読みたかった一冊の本に出会うことである。
 本を読むとは著者の考えを追体験することである。それは自分とは違った他者が何を考えているのか知ることだ。だから小生は本を読み始めるとき、まずは自分だけの狭い考え方を捨て、著者が何を言いたいのかを理解しようと心掛ける。しかし、一度読んだら即ゴミ箱行きの本はこのたぐいではない。こうした本は読むというより「見る」といった読み方が一番である。適当に「見て」素早く忘れていくことで時間を無駄にしないことである。
 だが、内容のある本はむずかしくて、著者が何を言いたいのかさっぱり分からないことが多い。とくに哲学書などだと簡単にはいかない。こうした難解な本はどう読むか。自分はその場合、二段、三段の作戦で対処している。一回読んだ程度では理解できないので、二回、三回と読み直すのだ。、
 ちょっと読み始めたが歯が立たないと思ったら、一旦読むことを止めて、まず頭にある序文と、後書き、翻訳物なら翻訳者がその本の概要を後書きで書いていることが多いのでこれを読んで、著者が言いたいことのおおよその内容を掴んでおく。ただし、著者以外の人の「解説」は丸受けしないこと。あくまでも自分の解釈を得るための補助にとどめておく。後書きとともに目次も役にたつ。これを見て、本の全体像を朧気ながらつかんでおく。
 そうしていよいよ本文を読み始めるが、これは第一回目の読みである。あとでもう一度しっかり読み直すつもりだから、細かい字句にとらわれず、ひたすらスピードをあげて最後まで読み通す。この段階は「素読」あるいは「速読」程度でいい。これで著者の言わんとすることの大枠、全体像がおおよそ理解できてくるだろう。
 哲学書で挫折するのは最初の読みだけで全部分かろうとするからだ。最初は分からなくていい。わからないところは飛ばして最後まで読み(あるいは見る程度でも可)、そのあともう一度、今度は最初からじっくりと読むことである。一回目が速さなら、二回目は遅さである。分からない言葉はじっくり考える。急がず、この一冊を一年かけてでも読むくらいの強い信念で読み通すことである。
 ただし、一年といってもあまり時間をおいては駄目である。前回読んだ印象が残っているうちに次を読んでいく。飽きることなく、しつこいくらいそれに食らいついていけば、どんなにむずかしかった本でも光明の穴が開き、著者の考えていることが分かってくるはずである。
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毎日の散歩道となっているわが家の「前の山」は、ものごとを考えるのに向いている。この道を歩きながら、小生は毎日のブログのテーマを考えている。
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by Weltgeist | 2013-02-13 23:47

最高権力者の辞任 (No.1620 13/02/12)

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 ローマ教皇(法王)ベネディクト16世が高齢(85歳)を理由に今月28日に退位すると突然発表したことで世界中が大騒ぎになっている。全世界に12億人以上の信徒がいるといわれるキリスト教最大教派(カソリック)のトップが辞めたいというのだから騒ぐのは当然である。
 教皇のルーツはイエス・キリストの使徒の一人であったペテロにたどることができる。使徒シモン・ペテロは「天国の鍵」をイエスから受け取ったとカソリック教会は言い、その権威を受け継ぐ最高の者が神の代理人として教皇になる。教皇とは人間界と天上界とを結ぶことのできるものすごい人物とされているのである。だから神の代わりさえできる絶対に間違いのない完璧な人物でなければならない。そんな人物をローマ法王庁はシスティーナ礼拝堂で行われるコンクラーヴェという独特の選挙で選び出すのである。
 現在のベネディクト16世は2005年にヨハネ・パウロ2世の死去のあと行われたコンクラーヴェで選ばれた。コンクラーヴェは選挙の結果をシスティーナ礼拝堂の煙突の煙で世間に発表する。枢機卿たちが選挙した結果がまだ出ないときは煙突から黒い煙を、選ばれた時は白い煙にする。前回のベネディクト16世のときは煙の映像がテレビで流れたが、白とも灰色とも分からないものだったことを覚えている。
 このとき第265代教皇に選ばれたベネディクト16世はドイツ人で、本名はヨーゼフ・アロイス・ラッツィンガー (Joseph Alois Ratzinger)。だが、彼は決して「完全無欠な人」ではなくて、14歳の時にはヒットラー・ユーゲントに参加していた。そして、第二次大戦でドイツ軍が降伏した時はウルムの捕虜収容所に入れられていたのだ。こうした異色の経歴が就任当初から様々な噂を呼んでいたのである。
 カソリック信徒でない我々一般人にはバチカンの組織がどのようなものなのか分かりにくいが、コンクラーヴェで選ばれた教皇は、終生最高権力者として立ち振る舞える。自分の意志で辞めることもできるが、これは極めてまれで、彼の前に生きて辞任したのは1415年のグレゴリウス12世だから、実に600年ぶりということになる。このことからも事がいかに重大であるかが分かるだろう。
 ベネディクト16世が辞任する理由としてあげているのは高齢(85歳)だとしているが、欧米のニュースではそれ以外に深刻な事件が様々起こっていて、教皇自身が嫌になったのではないかと報じていた。その理由の一つはカソリック聖職者による性的虐待事件の頻発である。
 ヨーロッパでは1万人を超える子供たちが、彼らを守る立場にあるはずの神父たちに虐待され、レイプされたという。神の代理人たる者の品行とは思えないことを多数の教会関係者がやっていたのである。この中にはベネディクト16世の兄、ゲオルク・ラッツィンガーがレーゲンスブルク大聖堂聖歌隊の少年たちを平手打ちしていた事件まで報告されている。聖職者といえども人間であることを次々と暴露されてきているのである。そして、問題はこうした数々の虐待を指摘されてもバチカンは責任を認めず、事態を矮小化しようとしていたことである。
 さらに公共事業をめぐる不正などを示す内部文書が相次いでメディアに漏洩し、法王の身の回りの世話をしてきた男が昨年機密書類を盗んだ容疑で逮捕され、18ヶ月の禁固刑の判決を受けた。一連の騒動は、マネーロンダリング疑惑も浮上していて神の代理人としての信用が現実的には失墜していくばかりの追い込まれた状態になってきたのである。多分、こんなことが教皇に嫌気を起こさせたのではないかと思う。
 次ぎに選ばれる第266代の新しい教皇はどんな人物がなるだろうか。完全無欠な人間離れした人が選ばれて欲しいが、しょせん人間である以上誰もがミス、間違いを犯す。教皇の祖とされるペテロでさえ、イエスが逮捕されたとき、「私はこんな人知りません」という主を裏切る罪を犯し、後で涙している。教皇とて人間であり、神の代理人となるのはむずかしいのだ。
 この問題を取り上げているサイト、Pope Benedict XVI To Resign On Feb. 28 Due To Health Concerns はこちらをどうぞ。

*写真は昨年ベネディクト16世がキューバをおとづれたときのニュースを2012年3月28日付けワシントンポスト紙からDLしたものです。
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by Weltgeist | 2013-02-12 23:56