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足ることを知る (No.221 08/09/30)

 昨日はPC不調というアクシデントに見舞われ、結婚記念日のささやかなお祝いに行くことも出来なかったため、今日にそれを繰り上げることにした。妻が見つけてきたおいしいインドカレー屋さんに買い物ついでに行こうということになったのである。ところが、行ってみたら特別休業日で店が閉まっている。9月25日の星座占いで「サソリ座は最悪」の運勢と言われ、「そんなもの信じるか! 」と一笑に付したけれど、昨日のPC故障と写真データ書き込みエラーなど、いいことが続いていない。占い否定派の小生、どうやら分が悪くなっている感じだ。
 結局、幻となった「おいしいインドカレー」の代わりに、今日行ったのは回転寿司である。ここが今年の結婚記念日のお祝いの場となった。「回転寿司などお祝いに行く所じゃない」と言う向きもあるかもしれない。しかし、自分にとっては店の格より、34年間今日まで大きな波風もなく生きて来れて、二人で食事が出来たことだけで十分なのだ。おいしく寿司が食べられたことは、まだ自分たちが元気である証拠でもある。
 結婚記念日のお祝いならある程度格調の高い所がいいんじゃないの、と思う人はそこへ行けばいい。質素な生活を心掛ける小生には、回転寿司で満足出来る。むしろそうした質素なお祝いで満足する自分を誇りに思っているほどである。現役時代は見栄を張り、高いレストランに行ったこともある。しかし、場所などどこでも同じ、問題は気持ちだという、ごくごく当たり前のことにようやく気づいたのである。
 都内の一流レストランで食事をするのもいいし、町のファミレスで食事をしたって恥ずかしいことではない。そもそも、いい生活とか質素な生活の基準はどこにあるのだろうか。これらは全て比較級であろう。上には上の、下には下の世界がある。悪い比較例だが、世界中には年間数十ドルの年収で暮らす人が数十億人もいる。そうした人から見れば、回転寿司など夢の世界だろう。それと同じように年収が数十億円ももらう人もいる。彼らの生活など小生には想像もできないが、そんな人でも多分別な欲望があり、満足はしていないだろう。つまりは、きりがないのだ。
 いま日本の庶民が生活している水準は、江戸時代の将軍様より高い水準である。それに不満を言うのは、自分より上の人を見て羨ましがっているからだ。人の生活は相対的であるところに世の悩みの本質が隠されている。他人を羨むから満足出来ないのだ。比較しなければ自己完結していて、どんな物でも満足出来るだろう。いつも豪華な生活をしている人を我々は羨ましいと思う。しかし、それでは豪華な生活をしている人が幸福かと言えば、それは分からない。年収数十ドルの人に幸福が無いなどとも言えない。
 常に他人との比較で生きている人に不満の種は絶えない。与えられた条件の中で「足る事を知る」人間こそ、心の平安に行き着くのではないだろうか。確かに億万長者は羨ましい。しかし、それだからと言って自分がその人と比べて劣っているわけではない。自分は自分であり、億万長者にも出来ない人生を送っている。負け惜しみと思われるかもしれない。しかし、そこに誇りを見いだせば、毎日が充実した日々に成り代わると思うのだ。
足ることを知る (No.221 08/09/30)_d0151247_2275218.jpg
韓国・水原にある「韓国民族村」の古い民家の門に貼ってあった厄よけのお札。疫病神から守る虎の周囲に大吉、未安、栄乱?、金などの文字が読み取れる。
by weltgeist | 2008-09-30 22:15


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