空飛ぶ蝶の撮り方を教わった(No.90 08.05.07)

 毎日が日曜日の小生にとって、朝のまどろみの時間は何にもまして捨てがたい至福の時間。仕事に行くわけでもないから、何時に起きても構わないのだ。近頃は夜更かしする代わりに、朝は8時から9時頃ゆっくり起きるようになっていた。そんな怠惰な生活が今日は災いとなった。実は今朝4時に起きて、新潟へ行く予定をしていたのだ。先月ギフチョウ撮影が撃退されたことをブログで読んだ方から、有力な目撃情報をもらっていたので、リベンジ撮影に行くつもりで4時に目覚ましを掛けておいた。これを寝ぼけて聞き逃したのである。
 それで急に予定が無くなって暇ができたので、もう一度家の前の森に蝶撮影の練習に行くことにした。だが、今回は小生前回と違ってちょっと強力に武装して出かけたのだ。前は蝶を撮る方法が分からず的はずれのやり方をしていた。しかし、同じ失敗を繰り返してなるものかと、蝶撮影専門の方に頼んでおいたアドバイスを、まさに今朝もらって再武装して行ったのだ。
 実は、ネットの掲示板でギフチョウが飛ぶいい写真を撮っているカラブスさんと言う人を見つけ、彼にどんな事を注意したらいいのか、今月3日に書き込みで質問しておいたのである。しかし、不特定多数のネット掲示板だから返事がもらえるかどうか分からず持ち続けていたら、何と、今朝返事を頂いた。カラブスさんは連休の旅行中で、返事が遅れて今朝になってしまったという。だが、こちらも今朝中止したから、それを読むことができた。ラッキーなアドバイスは次のようなものであった。
 飛んでいる蝶を撮るに当たって「一番、重要な点は、蝶の生態を良く観察して癖や特徴を掴むことです。二番目は、とにかく沢山撮ることです。カメラの設定ですが、SS(シャッタースピード)は、最低でも2000分の1秒は必要です。ギフチョウの飛翔の場合は、MF(マニュアルフォーカス)で置きピンでの撮影が主となります」とある。
 今朝これを読み、目から鱗が落ちる思いがした。蝶を撮るにはまず彼らの習性を学ぶことが必要である。どのような所でどのように飛ぶのか、それを蝶ごとに調べ、最良のポジションで待つべきなのだ。しごく当たり前のことだ。魚を釣りたければ魚が沢山いる所に行くのと同じである。蝶の場合、昔学んだ「蝶道」という言葉を思い出した。蝶ほぼ決まったコースを飛ぶから、その場所で待っていればいいのだ。
 小生、蝶を見つけて追いかけることだけを考えていた。追えば連中は恐れて逃げるだろう。空を飛ぶ蝶に追いつくこともできない。それより蝶がやって来そうな場所で待ち伏せする方がいいのだ。これが学んだ第一点。
 もう一つは、飛んでいる蝶を撮るのに、いちいちピントを合わせるのではなく、置きピンと言って、一定の所にフォーカスを合わせておき、蝶がその距離に飛んできたら、とにかく沢山撮りまくることだという。下手な鉄砲も数撃てば当たるわけだ。オートフォーカスでなく、マニュアルで適当な距離をし、その付近に来た時2000分の1秒以上のSSで連写すれば、そのうちの何枚かピンがきたものが撮れるというわけである。
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 もしそうなら、ピントが合う範囲が広い(カメラ用語で被写界深度が広いという)超広角レンズの方が有利である。家を探したら、フィッシュアイ・ニッコール16㎜F2.8という、古いニコンの魚眼レンズが出てきた。これをD300に付けて試し撮りすると、意外や意外、ひどく古いレンズなのに、ピントも発色も悪くない。
 前回駄目だった望遠レンズをこれに付け替えて、本日、早速家の前の森に出かけた。前は望遠レンズで遠くから撮影しようとしたが、今度は超広角魚眼で、超接近して撮影しようという作戦である。
 そして、まず、蝶が良く飛んで来そうな場所に直行。すると、いました、いました。黒っぽいアゲハチョウが。最初、クロアゲハと思って近づくと、なんと体の横が赤いジャコウアゲハである。この森は一応東京都である。そこにジャコウアゲハが今も健在で飛んでいることに改めて感激した。
 ジャコウアゲハはツツジの花から蜜を吸おうとして花の周囲を飛び回っている。静かにそこに近づくと、奴は小生の姿を見つけたのか、どこかへ逃げてしまった。しかし、ここで今朝のカラブスさんの言葉を思い出した。「蝶の癖を掴む」こと、すなわちジャコウアゲハが好む場所で待ち伏せするのだ。
 小生、ツツジの葉っぱの陰にしばらく隠れていると、ジャコウアゲハが再びやってきた。そこで、魚眼レンズのフォーカスを1m、ISO感度は1600にセットし、手を伸ばしたら届きそうな近くを飛ぶジャコウアゲハめがけて、機関銃のようにシャッターを押し続けたのである。ファインダーを覗くこともなく、レンズを蝶の方に向けてただシャッターを押し続けるだけの作業をおよそ1時間続けて、300枚ほど撮影した。
 家に戻ってPCで確認したら、何とかピントが合ったものが10枚ほどあった。確率的には30分の1だが、一枚でも見れるものがあればいいのだ。それが、下の写真である。蝶を専門に撮っている方から見たら、ピントも構図も悪い素人写真だろうが、小生が初めてチャレンジして撮れたジャコウアゲハの飛翔写真の出来について個人的には満足している。初めてならこんなものだろうと思うのだ。
 なお、この日、同じ森の中でウスバシロチョウが飛んでいるのも見た。これも10枚ほど連写したが、残念ながらピンがきているものは皆無だった。しかし、都内でジャコウアゲハやウスバシロチョウがまだ残っていたのを確認できたのも収穫だった。
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撮影データ・カメラD300、レンズFisheye-NIKKOR16mmF2.8、ISO1600、F4、1/5000秒、EV+0.7、マニュアルフォーカス、RAW。*この写真は蝶を大きく見せるため、少しトリミングしてあります。
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by weltgeist | 2008-05-07 23:12


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