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得体の知れない隣人たち (No.1615 13/02/07)

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 朝早く起きることが苦痛になってきた。別にどこかへ仕事に行っているわけではない。何時に起きてもいいのだが、目覚まし時計を午前9時に合わせておくと、すごい音で否応なく起こされてしまう。もう少し寝ていたい。あと5分、これがすごく快適で魅惑的なのだが、有無を言わさず起こされてしまう。毎日やってくるゴミ収集車が9時半には来てしまう。これに間に合わないと、もうその日のゴミは捨てることができない。朝一番からゴミ収集に悩まされるのである。
 小生の一日は「このゴミ捨て行為」を持って始まる。絶対それに遅れてはまずい。なんとか時間に間に合って、今日も無事にゴミ捨てができたと思うとホッとするのである。いつも思うのだが、ゴミ捨て場に行くと、そこには見たこともない人たちが待ち受けていて、小生が持って来たゴミを吟味している気がする。
 ヒエロニモス・ボッシュの「聖アントニウスの誘惑」はそんなイメージの絵である。スケート靴を履いた鳥は、さしずめ何らかのメモを持つ小生の代理人のように見える。一方洞窟にいる怪しげな男とネズミはゴミ捨て場の管理人のようだ。手にしているものは借用証だろうか。
 実に我々はこのような不条理な場所に投げ込まれているのだ。世界は人間のちっぽけな理性では理解できない。人間の世界はかくのごとく魑魅魍魎として永遠に謎のままとどまるのである。
by Weltgeist | 2013-02-07 21:10


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