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外来種とは何か、考えさせられる講演を聞いた (No.1592 13/01/15)

 本日は昨日予想した通り、朝から雪かきをやって予定通りに腰を痛めてしまった。しかし、もう何度となく同じ事を繰り返しているので学習効果があって、腰は痛くはなったが耐えられないほどの激痛になる直前で雪かきは止めた。いつもと違って昨日の雪の量は多すぎた。これ以上続けると多分腰がアブナイという症状になったところで手を抜いたのである。人が歩くスペースだけ少し雪をかいてお茶を濁すことにしたのだ。
 それから夕方までしばらく腰の痛みが続いたが、歩けなくなるほどのことはなかったので夜は都内某所で開かれた講演を聞きに行くことができた。講演の内容は「外来種とは? 偶産種とは? 」というタイトルで国内外から侵入してきた外来昆虫類の諸問題点である。講演してくれたのは神奈川県立生命の星・地球博物館名誉会員の高桑正敏氏。
 高桑氏は昆虫の専門家である。以前からブラックバスの外来生物問題に興味があった小生、昆虫の専門家が「外来種」についてどのような考えを持っているのか聞いて見たかったので、夜の講演といってもいそいそと出かけて行ったのである。バスのような淡水魚は人為的な放流で生態系が変わっていく。空を飛んで移動する昆虫たちではどのようなことが起こっているのか、2時間に及ぶ高桑氏の講演は非常に多岐にわたっていてとても興味深いものだった。
 しかし、なにぶんにも夜の講演のため終わったのが遅く、家に帰ったのはつい先ほどである。その内容を詳細に紹介するほど時間的余裕がないのだ。だから今日のところは簡単な説明だけにとどめ、詳しいことは改めて紹介し直すつもりである。
 さて、高桑氏が言う昆虫の世界での外来種はその定義が曖昧で、生物学者を悩ませる問題が沢山あるらしい。たとえばある地域に生息する虫をリストアップするにしても、それが以前からずっと生息していたものなのか判断が迷うことがある。もしかしたらたまたま風に乗ってどこかから飛んできたものかもしれないからだ。
 そこで外来種とは何かをしっかり定義しておく必要がある。高桑氏はそれを外来種と偶産種という区分を設けて説明してくれた。外来種とは人の手を介して人為的に移されたもの、偶産種は自力、または台風などで飛ばされて日本に来た種と分けて考えているのだそうだ。
 この区分について高桑氏は様々な例を示して説明していたが、小生が興味をもったのは温暖化によって最近関東地方にまで進出してきている南方系の蝶だ。これが人間の手による放蝶、すなわち外来種であるものがいると言われたことである。
 実は小生の自宅庭に植えたノウゼンカズラの花に南方系のナガサキアゲハが飛んできて蜜を吸っているところをカメラでとらえたことがある。(写真下)そのときは、日本は温暖化しているから、暖かい地方の蝶がこんな所まで北進したのだと思っていた。だが、これは温暖化による北進ではなく、放蝶したものが暖かくなった関東で定着した(国内)外来種にすぎないというのである。
 どうも関東のナガサキアゲハは飼育して羽化したものを誰かが野外に放した。それが定着したらしい。その点ではブラックバスと同じである。南の蝶が増えているから温暖化だというのは、高桑氏の講演を聞いてあまりに単純すぎる発想であることが分かった。この問題は自分自身のためにもいずれ時間をとって検証しなおしたいと思っている。
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わが家の庭に咲くノウゼンカズラの蜜を吸いにきたナガサキアゲハのメス。かっては九州南部にしかいなかったものなので、ここまで地球温暖化が進んだのかと思っていた。それがどうやら誰かが人為的に放蝶して関東地方にも定着したものらしいと教えられた。
by Weltgeist | 2013-01-15 23:56


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