人気ブログランキング | 話題のタグを見る

竹島問題についてはどう対応するか (No.1459 12/08/24)

竹島問題についてはどう対応するか (No.1459 12/08/24)_d0151247_21134069.jpg
 昨日尖閣諸島のことを書いたが、もう一つの懸案事項は竹島問題だ。こちらは尖閣とは逆で、日本の領土が韓国に強引に奪取され、60年も実効支配を続けられていることにある。竹島が1905年に島根県の所属として登録されて以来、国際法上は一度も韓国領と認められてはいないのだから、ここに韓国が居座るということは、他人の家に上がり込み、「俺の家だ」と言って不法占拠するのと何ら変わらない。
 しかし、いくら俺の家だから出て行ってくれと言い続けても、軍隊が常駐し、民間人までもが観光客として次から次へとやって来るとなると、多勢に無勢となってしまう。そういう強引な方法でよそ様の土地を奪い取る状況が成功を収めつつあるところで今回の問題が起こった。
 解せないのはなぜイ・ミョンバク大統領がこの時期に竹島に行く必要があったかだ。彼が行くことで実効支配をより強固にできると思ったとすれば、彼は大きな間違いを犯したことになる。平穏に隠しておきたかった不法占拠を、彼の来島で逆に世界に知らしめてしまったからだ。韓国の不法ぶりを声高に訴える絶好のチャンスを与えてくれたわけである。これは国を治める政治家としては決定的なミスである。天皇の謝罪要求などもあわせると彼は政治家としての能力、資質に欠けた人間と言われても仕方ないだろう。
 今回の韓国大統領の竹島上陸という強硬行動の行く着く先はどうなるだろうか。昨日、尖閣での中国とのトラブルは武力行使による中国軍の島上陸を誘うと述べたが、竹島では自衛艦が島を攻撃して奪還するというような戦争状態は考えられない。しかし、日本側からの批難の声がいっそう高まることだろう。そうなると、問題が複雑化するほど韓国の立場が不利になる。国際司法裁判所でどちらが正しいのか判断してもらうことを逃げていた韓国は、自国の法的正当性を証明しなければならない。自国が正しいならそこで堂々と主張すればいいのに、それはできないのだ。
 要するに、イ・ミョンバク大統領のやったことは、自ら墓穴を掘ったということである。竹島に行って一時的には気持ち良かったかもしれないが、そのあと高いつけを払わされることを考えていなかったという点で、国を率いるリーダーとしての素質を疑われてしまった。
 逆に、日本は今回の件で感情的になることはない。相手の出方によって、それに見合う対向処置をとればいいのだ。通貨危機に対処するためのスワップを断られたりしたら、韓国は大打撃を受けるだろう。丁度、中国にレアアースを禁輸された日本と同じようなダメージを被る。韓国が世界に知られまいと隠してきた竹島の違法占拠が明らかにされ、韓国のイメージは下がり、日本からの観光客も激減する。良いことは一つもないのだ。
 レームダックだったイ・ミョンバク大統領が起死回生に行ったことは、天に唾して自らにかかる事態を招いた愚行と言えよう。
by Weltgeist | 2012-08-24 22:27


<< 真の美は永遠の中で姿を表す (... 尖閣問題、想定外の反応 (No... >>