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仕方がない、消費増税には賛成します (No.1421 12/06/16)

 民主党と自民党が合意して消費税が増税される可能性が高まった。民主党はこれまでマニフェストで様々なきれい事を言っていた。自民党長期政権に飽き飽きしていた有権者はそんな民主党の新鮮な政策に期待したのだ。しかし、いざ自民党政権をひっくり返して政権交代したら、それらはことごとくホゴにされつつある。行政改革をしっかりやって無駄を廃し、役人支配から政治家主導に転換する、沖縄の基地問題も米国に言いたいことを言って解決する、社会保障制度も充実するなど、おいしい絵をいっぱい見せてくれたが、いつの間にかそれらが消えて自民党となんら変わらない政治になってしまった。消費税についても「4年間は上げない」と言っていたはずである。
 消費税は2014年4月に8%、15年10月に10%に増税されるので、正確にはマニフェストを発表した2009年から4年以上たっていて公約違反ではないと言う。だが、小生のような年金生活者にとって増税は痛い。ところがそんな庶民の声を代弁すると称して増税反対を叫ぶグループが民主党一部議員のがいる。しかし、この人たちの立場も小生にはよく分からない。本当に庶民の味方なのだろうか。
 最近のギリシャやスペインの危機を見ると、借金頼みで限界に近づきつつある日本の財政も心配になる。日本の政府債務はギリシャなど問題にならないほど大きい。いまのところ日本の国債は90%以上が国内で消化されているから問題ないというが、ここで消費増税法案が否決されたりすると、日本国債の売りタイミングを狙うヘッジファンドの餌食になっていつ国債が暴落(金利は上昇)するか分からない状況になっている。ギリシャよりはるかに大きな政府債務を抱える日本は非常に危険に思えるのだ。
 日本の財政状況は待ったなし、財源の多くを借金に頼る社会保障費などは、なるべく今の世代で負担し、子や孫の世代の負担を増やさないためには消費税のアップも仕方がないと小生は思い始めている。ギリシャ人は他国の援助で良い思いをしてきたが、そのツケを払うのは嫌だと言っている。小生たちはこれまで恩恵を被ったからお返しのつもりで増税に賛成するのである。もちろん仕方なくではあるが・・・。
 消費税を上げるより日本の景気を良くして税収をアップするために財政出動すべきではないかという増税反対論者の意見がある。しかし、この意見には同意できない。90年代のバブル崩壊時から日本はつぎ込めるだけお金(税金)を経済につぎ込んだ。それでも経済は良くならなかったではないか。経済成長は低いまま国が抱える債務は増え続け、人々はいっそう貧しくなっている。お金をつぎ込んで経済を刺激するこれまでのやり方が通用しないことははっきりしてきているのだ。
 野党だった民主党がバラ色のマニフェストを掲げたけれど、それは理想論であって現実的になれば結局、マニフェストで掲げたものは引っ込めざるを得ないことが身にしみて分かってきている。それを今も、マニフェストに忠実になれという人たちは、結局、絵に描いた餅をいつまでも出し続けているだけの無責任な政治家ではないかと思うのだ。
 もちろん増税に賛成すると言っても諸手を挙げてではない。民主党がマニフェストに掲げた無駄を廃していく政策をとることで我々も納得する。国会議員の定数削減削減の例で分かる通り、自らの身は切らず人に税金の負担増を押しつけるなどとんでもない。しかし、これとても結局はうやむやにされてオシマイの気がする。きれい事を並べて総論大賛成だが、各論、とくに自分が損をする案は大反対という政治家が多すぎる。この悪弊はいつまでたってもなくならないだろう。民主党のマニフェストがことごとく否定されたのと根っこは同じである。人間、偉そうなことをいっても結局は自分勝手な連中ばかりがいる気がして情けない。
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by Weltgeist | 2012-06-16 23:44


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