濡れ手に粟の法解釈 (No.1318 12/02/23)

d0151247_22172724.jpg 世界的に評判になっている米アップル社の iPad が中国での販売を中止するよう訴えられている。ipad の商標権を持つ唯冠科技という会社に商標権を侵害していると訴えられて、輸出入差し止め、販売停止になりそうなのである。
 ニュースによれば「唯冠科技は2000年から、iPad と呼ばれるタブレットを開発していたという。昨年秋頃から、アップルが中国国内での iPad の商標権を侵害していると訴え始めた。昨年末には、中国南部で起こした訴訟で、アップルに対し勝訴した。またこの判決に基づき、先日には中国当局が中国国内にあるアップル再販業者を強制調査し、45台の iPad2 が押収された」と報じているられている。
 商標どころか本物そっくりのコピー商品、偽物の製造販売が当たり前の中国で、よくそんなことが言えると呆れてしまう。中国へ行ったことのある人ならこの国が商標とか特許といったものを一切無視した違法がまかり通る偽物天国であることを見せつけられる。小生は上海でコピー商品が公然と売られている大きな偽物市場を見ている。ところが、今回の訴訟騒ぎはそれを逆手にとってきたのである。
 中国だけでなく、今は日本も含めて世界中の国々であらゆる分野の商標登録が行われている。登録しても新しい商品を発売するわけではない。世界的有名メーカーの製品名を素早く登録しておいて、いざそれが発売になったら、イチャモンをつけて商標を買い取らせるビジネスが横行しているのである。
 今回の iPad の買い取り価格は約15億ドルというから、笑いが止まらない。商品開発に真摯に取り組むことなく濡れ手に粟でもうけようという魂胆にはまったく気が抜けないのである。
 しかし、これは違法ではない。むしろ合法で、上に記したようにアップル社は裁判で負けているのだ。法の穴を巧みにくぐった新しいビジネス対策に今後メーカー各社を悩まされることだろう。もはや人間の良心とか商売道徳に期待する方が間違っている。少しでもスキを見せればたちまちそこにつけこまれる。アップルのような厳しい会社でも油断していたのだ。
 小生の関係ではカメラ愛好家たちが近い将来ニコンが新しい一眼デジタルカメラを発売するであろうと、機種名を勝手に D4 と言う名前をつけて予測していた。そして予想した通り、D4 という商品名で先月発表されたのである。発売予定日は3月15日。カメラマニアはこの日を首を長くして待っている。
 しかし、D4 の名前はすでに数年前から噂されていたから、めざとい中国人がとっくに商標登録していて、「発売は延期します」なんて事態になる可能性があるのだ。当然ニコンの方ではD4からD5、D10くらいまで先行して商標登録をしてあるとは思うが、アップルがやられたくらいだから油断はできない。
 多くの商品名は登録されただけで、使われもせず無駄に消えていっている。そんなことまでやらなければならない今の世の中はどこか狂っている。後味の悪い嫌な時代になったものである。
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by Weltgeist | 2012-02-23 23:10


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