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ウナギの蒲焼きについて (No.1098 11/06/20)

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 町を歩いていたらウナギを焼くおいしそうなにおいがしてきた。ウナギが大好物である小生、こうしたにおいに極めて弱く、これをかぐと自然と足が止まって食堂に吸い込まれそうになる。ウナギ屋も心得たもので、焼いたにおいをせっせと外に放出し、お客を誘い込む。このにおいと煙の攻撃はどんな宣伝文句も及ばない抜群の集客効果を発揮するのである。
 二食主義者の小生は昼間外出してもほとんど物を食べることはしない。朝食と夕食の二食だけだからよほどのことがないと昼食は食べないのだが、蒲焼きのにおいには抵抗し難い誘惑がある。このにおいと煙が煙幕のように漂うゾーンにわが身が入ってしまうと、まるで磁石に引き寄せられる砂鉄のようにウナギ屋ののれんをくぐってしまう。あのタレとウナギの脂が炭火で焼かれて発する強烈なにおいの前では二食主義者の看板も下ろさざるを得ないのである。
 ウナギを焼く独特のにおいが漂うお店の奥で、待つこと30分。生きたウナギをさばき、関東風に一度蒸してから焼くには、どうしてもこのくらいの時間は待たなければならない。出されたうな重に箸を付けると、サクッとした柔らかな感触が伝わってくる。そして、まだ熱々のウナギを口の中に入れれば、とろけるようなおいしさが拡がる。ノングルメで食の味などどうでもいい。食べられれば何でもおいしいと思う単純な人間だが、ウナギだけはなぜかそう言って通り過ぎることのできない食べ物である。
 大げさだが、ウナギを食べると生きていて良かったなと感じるのである。今日もまだ元気でウナギを食べることができる自分に感謝の念を感じつつ今年の暑い夏を乗り切ろうと思っている。
by weltgeist | 2011-06-20 23:57


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