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フジミドリシジミが羽化した (No.1047 11/04/29)

 ゼフィルスと呼ばれるミドリシジミの仲間、フジミドリシジミを飼育していて、ついにその成果が出た。本日3頭がいきなり羽化して蝶になったのである。昨年手に入れた15個の卵からふ化した12匹の幼虫に餌であるブナの新芽をせっせと与えてきた。その努力が報われたのだ。
 小生、蝶を育てる飼育なんてこれまでやったことがない。以前、庭のサンショウの木についていたアゲハチョウの幼虫を見つけてさなぎまで育てたが、最後の段階でさなぎを傷つけて蝶まで育てられなかった。その程度の経験しかない飼育のド素人なのである。
 ただ、小生の周りにはその道のベテランである良き先輩が何人もいる。育てている途中で分からないことがあっても、そのつど先輩に助けてもらえたのである。餌のブナの新芽を切らさないよう与え続けること、幼虫を入れた容器はきれいに掃除し、幼虫の健康状態まで入念にチェックすることなど、毎日先輩の指示通りにやったおかげが今日の成果に結びついたのだ。
 しかし、このチェックは想像以上にたいへんだった。朝起きたら自分の顔を洗うより前に、幼虫のチェックをする。これが結構な時間と手間が必要で、ちょっと手抜きするとてきめんに悪い結果が出る。不注意からふ化したばかりの幼虫2匹を死なせ、残り2匹はもうサナギになる直前まで育ちながら逃げられて行方不明になってしまった。餌を入れた容器の蓋を完全に閉めていなかったので、その隙間から逃げ出したのである。
 それでも8匹が幼虫からさなぎに変態した。卵からふ化したのが3月18日、さなぎになったのは4月14日であった。さなぎになればこれ以上餌の手配は考えなくていい。それまで幼虫が腹をすかせていないか毎日注意深く点検し、餌が少しでも足りなくなったらすぐに新しいブナの芽を補給していた。もうそれは必要がない。あとはひたすらさなぎから成蝶が羽化してくるのを待てばいいのである。
 サナギから蝶に羽化するときはきっと劇的なシーンが見られるだろう。ビーナス誕生のような素晴らしい瞬間を絶対カメラに収めようと期待を込めて待っていたのである。ところが待てど暮らせど蝶が生まれてくる兆しがないのだ。そうしていい加減忘れかかった本日、いきなり3頭羽化したのである。この遅さは想定外のことで油断していた。
 サナギからはい出て翅を延ばしていくシーンを撮影するどころか目撃もできなかったのだ。羽化の瞬間は見逃しても、まだ飛翔力が弱い段階で近くの鉢植えの木に止めてエメラルド色の羽根を開いたところを撮ろうと目論んでいた。しかし、自然は小生の勝手な都合に合わせてなどくれない。部屋の中を活発に飛び回るフジミドリをカメラを持って追い続けたが、木に止まったところも翅の開帳シーンも駄目だった。ようやくに撮れたのが、小生の指に止まった下の写真である。しかし、サナギはまだ5個残っている。数日中にはこれらも羽化するから、その時こそ絶対羽化の瞬間を撮ってやろうと思っている。
フジミドリシジミが羽化した (No.1047 11/04/29)_d0151247_2119298.jpg

by weltgeist | 2011-04-29 23:56


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