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海外旅行の達人 (No.1044 11/04/26) 

 海外旅行をする場合、コースから乗り物、宿の手配まですべてインクルードしたパッケージツアーは安くてお得だ。一昨年の冬に行ったグアム島4日間の旅は、なんと航空運賃、燃油代からホテルまで全部ひっくるめて18800円という破格の料金だった。これが個人旅行となるとそうはいかない。航空券の購入からホテルの予約、さらには空港からホテルまでの移動など全部自分で手配しなければならない。料金もはるかに割高なものになるだろう。
 言葉や情報不足など、海外の旅行はとくに個人が手配するのは難しいからパッケージツアーはお手軽でいい。しかし、何度か海外に行っているとパッケージツアーの欠点も見えてくる。値段の割に色々な所を見学させてくれるが、総花的すぎるところが物足りなくなるのだ。パリもロンドンもローマも行ったけれど、どれも忙しい駆け足旅行で、具体的にパリの何処を見たのかと聞くと意外に印象が残っていない。シャンゼリゼや凱旋門はさすがに覚えていても、その他は沢山すぎて逆に何を見たか覚えていない人が意外に多いのだ。
 最近はあれもこれも行くのではなく、一カ所に滞在するツアーも増えている。パリ6日間フリータイムといった具合に現地までのチケットとホテルだけで、あとは自由にお客さんが行きたいところに自分で行くという滞在型フリーツアーだ。これだと個人旅行に近い感じで自分の行きたい所をある程度選べるから印象も深まる。ただし有名都市ばかりで、マイナーな都市の滞在型はないのが欠点である。
 パッケージツアーも有名所ばかり扱っていて、これから外れた地域になると個人で手配しなければならない。しかし、そうした場所は現地の情報も少ないので、個人で手配することはむずかしくなってくる。とくに英語圏以外の地域では言葉の問題があって個人旅行の壁は急に高くなるだろう。現在小生が行きたいと思っているのはロシア語、中国語、アラビア語を話す地域だ。この地域を個人的に旅するのはとても難しいと感じているのである。
 ところがそうした地域を頻繁に旅行している海外旅行の達人とも言える人と本日お会いして話を聞くことができた。その方は小生より年上で、とっくにリタイアして毎日が日曜日状態だから、気が向いたら何処にでも一人で行ってしまうという。彼が行っている場所がすごい。とてもパッケージツアーなど組めない世界中の僻地ばかり旅しているのである。
 問題は彼の旅行のやり方だ。往復の航空券だけ買ってとにかく現地まで行ってしまう。空港に着いた時点で全て現地手配するらしいのである。アメリカやヨーロッパなら英語が通じるから予約なしに行っても何とかなる。ところがチベットとか新疆ウイグル自治区、ロシアのシベリア地方などにさっさと行って、それなりに旅を楽しんでくるというのだ。
 「行けば何とかなる」と彼はあっけらかんにいう。「でも言葉が通じない国では無理でしょう」と聞くと、「中国は筆談だ。漢字を書けば相手はある程度理解してくれる。ロシアや中央アジアは世界共通言語、つまりゼスチュアーで大丈夫」と言っている。実際彼はこれで毎年何カ所も旅をしているのである。
 これをするのが若者なら分かる。ところが彼はすでに70歳を越えているのである。いままでどのくらいの国に行ったのか聞きそびれたが、ものすごいバイタリティにすっかり当てられてしまった。こういう元気な人を見ると、自分ももっと頑張らねばと思わされてしまう。いやはや世の中にはすごい人がいるものである。
海外旅行の達人 (No.1044 11/04/26) _d0151247_0315745.jpg
パリからフランス新幹線・TGVで2時間ちょっとで行けるアルザス地方の古い町、ストラスブール。フランスなのにドイツ風の古い家が建っていていかにも古きヨーロッパという雰囲気がある。こうした小さな町まで組んだパッケージツアーはなかなか無いので、行くとなると個人で全て手配しなければならない。
by weltgeist | 2011-04-26 23:55


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