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久しぶりの新宿 (NO.786 10/08/02)

 懸案だったカメラのオーバーホールのため、新宿・ニコンサービスセンターに行った。カメラメーカーのサービスセンターというのは、小生のような人間にとっては、ちょっとした「ワンダーランド」である。展示されている新製品のカメラやレンズを実際に自分のカメラにセットして、写り具合を試したり、新しい製品の情報を知ったりすることが出来る魅力的な場所だからだ。新宿ではライバルメーカー、キャノンのサービスセンターもすぐ近くにあり、カメラ好きは両社をハシゴすることも出来る。
 最近のカメラ、とくに交換レンズは金額が張るものが多くなって、小生のようなスズメの涙年金で暮らしている人間には手が出にくくなっている。例えば AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR という600㎜の望遠レンズは1,491,000円もする。たった一本のレンズで小生が乗っている乗用車、ホンダ・フィットが買えてしまう値段なのだ。そんなものとうの昔に買うことを諦めているから、サービスセンターに行ったときだけ、自分のカメラにくっつけてちょっと良い気分を味わう、それがささやかな楽しみでもあったのである。
 それで今日は常々欲しいと思っていた 400mm f/2.8 の手ぶれ防止付きレンズ(価格は 1,386,000 円)を試したいと思っていったのだが、何とセンターはリニューアルの工事中で、レンズなどの展示は中止。センター入り口に修理やオーバーホールなどのカメラ調整、ローパスフィルタークリーニングを受け付けるカウンターしかないのだ。中は工事中なので、展示品を試すことも出来ない。せっかくやって来たのに、お楽しみの方は諦めざると得なくなったのである。
 ニコン新宿サービスセンターは小田急デパート・ハルク向いのエルタワー28階にある。このビルには多数の企業が入っているが、20階以上の高速エレベーターには、黒いリクルートスーツを着た女性が沢山乗り込んできた。多分、就活のための企業訪問をしているのだろう。くそ暑い中、黒いスカートに、黒いスーツ、白いシャツとワンパターンの服装をした女子大生たちが緊張した顔で歩いている。
 この中の何人かは今日の訪問で就職先が決まり、その後の彼女たちの人生をも決定づけることかもしれないのだ。そんな人生の重要な分岐点に立つ人たちの真剣な姿を見たら、彼女たちの中で一人でも多く就職が決まって欲しいと思ってしまった。
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リクルートスーツを着た女子大生がエルタワービルから小田急ハルク前を歩いていった。(写真上)暑いのに頑張るな、と思っていたら、二人はいきなりジャケットに手をかけて脱ぎ始めた。(写真中)暑いからこんな上着などいつまでも着てはいられないのだろう。シャツ姿になった女子大生の先には、ベンチに腰掛けてコンビニのおにぎりを食べて休んでいる就活女子大生がいる。(写真下)とにかく、この時期、皆就職のために必死にかけずり回っているのだ。小生にとっては自分の娘が人に認められようと一生懸命努力しているように見えてちょっと切ない気持ちになってしまった。人は努力すれば報われるという意味においても、願わくば彼女たちに幸せな職場が与えられてほしいものである。
by weltgeist | 2010-08-02 21:28


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