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フランス、シャルトル大聖堂 (No.579 09/12/07)

 友人がパリ旅行を計画していて、「パリはどこがお勧めか」と聞かれた。パリは小生の大好きな町だからお勧め箇所は沢山あるのに、いざ聞かれたら、全然土地の名前が思い出せない。かろうじて凱旋門とかルーブル程度は思い出したが、それ以外の場所、たとえば絵描きの卵が一杯いる有名な広場「モンマルトル」の名前さえ出てこなかった。こんな簡単なことまで忘れるようだと、何か危機的な感じがする。この日友人には、パリ近郊で手軽に行けて、しかも見るべきところが多い場所として、「シャルトル」を教えたかったのだが、どうしてもその地名が思い出せないで友人とは別れてしまった。
 いよいよ小生のオツムはやばいところにきたかもしれない。こんなときは長い文章を書くのはよろしくはない。きっと記憶違いからとんでもないことを書く可能性があるからだ。そこで、今日は、文章は止めて写真と日記を頼りに、友人に教え損なったシャルトルのことを紹介してみたい。
 ゴチック建設の最高傑作として、世界遺産に登録されたシャルトル大聖堂は、東京で言ったら丁度八王子くらいの距離で、パリ中心地から気楽に日帰り出来る所にある。パリ市内観光を一通り終えた人が、次ぎに行って見たい場所として皆さんにお勧めしたい。こじんまりしたシャルトルの古い町並みと大聖堂の堂々たるたたずまいはぜひ訪れてみる価値はあると思う。
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 シャルトルへ行くには、パリ、モンパルナス駅からフランス国鉄の電車に乗って行く。急行電車で約1時間でシャルトル駅に着く。運賃は往復25ユーロ(06年当時)。急行は一時間に一本くらい出ていて、急行料金は不要。田舎の小さな駅であるシャルトル駅を出ると、左手に二本の高い塔が見える。これがストラスブール大聖堂と並ぶフランスの世界遺産、シャルトル大聖堂である。大聖堂の手前に「 Office de Tourisme =オフィース・ド・トゥーリスム」と書いてある建物(茶色い屋根の家)がツーリストセンターで、シャルトルの観光地図をもらえる。ここにいた女性職員はカタコトの日本語を話してくれて、驚いた。

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大聖堂の入り口(ファサード)の上にあった彫刻。12~13世紀に建築されたシャルトル大聖堂の周囲には多数のこうした石像彫刻があり、圧巻である。この石像を見ているだけでも十分価値がある。ベストセラーとなった小説「ダビンチコード」のなかで作者のダン・ブラウンはここの彫刻のことを「異教徒的な怪しげな感じ」と書いているが、ちょっと東洋の仏像を思わせる感じは確かにある。聖堂の中を見学し終えたら外の彫刻もじっくり見て欲しい。

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聖堂の中には見事なステンドグラスが沢山ある。いずれも聖書の物語を題材にしたものである。中央にはミサを行う祭壇があって、大きな大理石でイエス・キリストの生涯を20個以上のパーツで彫ってある。ヨーロッパのカテドラルなどは、キリスト教の信仰のためのものだから、ほとんどが入場無料である。ただし、ミサをやっている場合があるから、中に入ったら静かに見学すること。写真撮影はOKのところが多い。

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 カテドラルのてっぺん、尖塔に登るには6.5ユーロ必要。350段ある階段を登るのは心臓病の小生にはきつかったが、登り切った塔のてっぺんからみたシャルトルの町の眺めは素晴らしかった。ちなみにエレベーターはない。古い中世の時代に造られたらせん階段をひたすら登るしかないのだが、頑張って登れば良き思い出になることだろう。

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大聖堂は町の一番高いところにあり、どこから見ても見えるから道を間違える恐れはない。この付近は古いフランスの木組みの家があって。たいへん雰囲気がいい。

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  大聖堂の見学を終えて、シャルトルの町を散策していくと、小さな小川が流れていた。ウール川という名前だという。川には水鳥が泳ぎ、古い石造りの家が川の水面ぎりぎりに建っていて、以前行った水と運河の町、ブルージュを連想させる素晴らしい景色だった。いかにも古いヨーロッパの町を歩いているという気分が味わえる所である。

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これはサン・ピエール寺院。ヨーロッパで一番古いステンドグラスが残されているというが、ステンドグラスのいくつかは壊れていた。昼間は長い休憩時間があって、午後は2時から見学出来る。

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たぶん築500年は経っていると思われる非常に古い民家、「メゾン・ド・サウモン」。つまり「鮭の家」という意味で、町の観光スポットになっていた。名前からして、昔は海からウール川を通ってここまでサーモンが登ってきたのだろう。今はレストランになっているが、我々は予約していなかったので食べることが出来なかった。


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「鮭の家」の柱にはこんなにしゃれた彫刻がしてあった。葡萄とカタツムリ、すなわちワインとエスカルゴである。センスの良さからして、きっとここのレストランの食事はおいしいと思う。本場のフランス料理が食べられなかったことが返す返すも残念だった。

by weltgeist | 2009-12-07 23:57


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