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クリスマスセールとイルミネーション (No.569 09/11/27)

 毎週金曜日の午前中はBさんの英会話の授業。Bさんが言うには感謝祭の翌日である本日(11月の第4週金曜日、今年は27日になる)から全米では一大クリスマスセールがスタートすると教えてくれた。アメリカでの個人消費はほぼこれからの一ヶ月間に集中するのだという。セール初日はどんな店も売り上げアップで黒字になることから、別名、ブラック・フライデーとも呼ばれている。それだから、スタート当日の売り上げが今年一年の傾向を占う材料にされるらしい。
 この期間になぜそんなに消費が集中するかと言うと、クリスマスプレゼントがあるからだ。小生の子供時代の経験では、クリスマスプレゼントは親が子供の靴下に入れておいてくれるものと相場が決まっていた。だが、アメリカでは夫婦間、親子間でお互いにプレゼントを交換するというからたいへんだ。妻や夫、友人、子供がそれぞれ何かを買ってあげるのだから、子供のおもちゃといった程度の物ではすまない。すごいのは、車とか、家とか、超高い宝石なんて物もあるらしい。相手が喜ぶプレゼントを買っておかなければならないのだ。そして、当日までお互いが内緒にしていて一斉に「セーノッ」と出し合って、サプライズを楽しむらしい。日本ではバレンタインデーに女性がギリチョコを買うのにたいへん苦労しているが、米国ではこれを全員でやるからたいへんな騒ぎになってしまうのである。
 小生の場合、確か小学校4年生くらいまではサンタクロースがトナカイのそりに乗ってプレゼントを届けてくれるものと信じていた。「良い子でいないとサンタが来ないぞ」と脅かされて、急にいい子ぶった記憶がある。しかし、サンタが親であることが分かったとたんに、クリスマスプレゼントは無くなってしまった。夢が現実化すると共に、プレゼントも消滅したのである。そんな素朴な時代だったから消費傾向に影響するようなものでもなかった。
 しかし、アメリカでは大きな消費はこの期間にするというから、とても大事な時期なのだろう。ところがそんな大事な時に出鼻を挫く嫌なことが起こってきた。先日、日経ビジネスで「ドルの為替レートは1ドル50円まで暴落する」という記事に、そんな馬鹿なことがあるか、俺は信じないぞと書いたら、今日は1ドルが84円まで下がってしまった。
 しかし、為替というのは軟体動物みたいな生き物に似ていて、掴み所がない。84円までドル安円高になっても、明日は分からない。もしかしたら史上最安値の79円を超えて、50円を目指す態勢をとるかもしれない。そうなると、小生が馬鹿にした日経ビジネスさんに「恐れ入りました」と頭を下げなければならない。だが、潔くないかもしれないが、小生は50円説などまだ信じてはいない。79円は割っても、そこまでひどくはならないと楽観視しているのだ。だって、もし50円になったら日本経済は破綻し、全員が路頭に迷う事態になるかもしれないからだ。
 そんな暗雲漂うクリスマスセールと共に一斉に始まるのがクリスマスの飾り付け。先日パリのシャンゼリーゼ通りのイルミネーションが始まったとニュースが伝えていた。恒例のニューヨーク、ロックフェラーセンター前のクリスマスツリーも点灯されたのではないかと思う。日本では最近お馴染みになりつつある個人宅のクリスマスイルミネーションがボチボチ始まっている。
 わが家に近い何軒かの家でも点灯を始めるところが出てきた。別にクリスチャンでもないのに、との批判もあるだろうが、悪いことではないと思う。不景気をぶっ飛ばす意味でも派手にやっていいのではないかと思う。とくにわが家の近くにはものすごいイルミネーションをする家が何軒もあって、これが一斉に点灯すると「クリスマスイルミネーション団地」の様相を呈してくる。最近はそれが評判になり、近隣の人が車を連ねて見学にくるほどの「クリスマスイルミネーションスポット」となっているようである。
 余裕がないわが家は、数年前に高さ1.5mほどのミニクリスマスツリーを買って、玄関の外に飾っていた。しかし、周囲のすごいイルミネーションの中に入るといかにもみすぼらしい感じで、恥ずかしいから最近は室内の居間に置いている。外の派手なイルミネーションには比べようもないが、小さなLEDが点滅するのを家の中で妻と見つめているだけで厳粛な気持ちになれる。ささやかなツリーでも十分クリスマスのお祝いは出来るのである。
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アメリカにはこのように、クリスマスのデコレーションだけを専門に売っているお店がある。冬のシーズンだけでなく、一年中クリスマスで商売が出来てしまうのだ。店内には日本には無いようなクリスマスグッズがいっぱい売られていた。米ワシントン州シアトル郊外にて。
by weltgeist | 2009-11-27 23:47


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