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コンピュータウイルス (No.463 09/08/06)

 数日前にアンチウイルスソフトを新しく入れ直した。どうもPCの具合が悪くて、エラーばかり起こるのはウイルスに感染しているからではないかと疑ったからだ。それで、PCの動作は少し安定はした。しかし、新しいアンチウイルスソフトを入れたことで動作が前より遅くなったのは間違いない。一回ごとにウイルスチェックをして安全かどうか確認するから、遅く、かつ動作が重くなってしまうのだ。
 我々にとってはこれはいい迷惑である。昔の王様は毒殺を恐れて毒味役を置いていたという。アンチウイルスソフトは現代人の毒味役である。普通ならスイスイ通れる門の前にガードマンが立っていて、セキュリティチェックをする。そのチェックが厳重になりすぎてPCのスピードが減速してしまうのだ。
 といって、アンチウイルスソフトを入れないとたちどころにウイルスに感染してPCを壊されたり、情報を盗まれることになる。小生は昨年IDを盗まれ、それを使ったネットオークションの詐欺被害者になったことがあるのだ。一応アンチウイルスソフトは入れてあり、時々ウイルスチェックもしていたのに、犯人はそのガードをくぐり抜けて小生のPCに忍び込みパスワードを盗んだのである。
 小生になりすまして沢山の人からお金をだまし盗った犯人が、その後捕まったのかどうかは分からない。だが、我々のPCがインターネットで世界中とつながっている以上、いつも誰かが侵入の機会を狙っていると思わざるを得ない。そんな危うい世の中が現代なのだ。

 そもそもこうしたウイルスを送ってくる連中の根性ってどうなっているのだろうか。恐らく妙に屈折した心の持ち主だろう。他人のコンピュータに侵入し、情報を盗み取る泥棒や、人が混乱するのを喜ぶ愉快犯的な人の存在って許し難いと思う。そんなことで人生の楽しみを得るのは寂しすぎるではないか。
 時には政治的な意図のもとにサイバー攻撃を仕掛けるのにウイルスが使われもするらしい。他人のPCにウイルスを感染させておき、きめられた時間に一斉に特定のPCに大量のファイルを送って機能を麻痺させる事件が最近しばしば起きている。戦争が起こったりすればこの手法は日常的に使われることだろう。
 ウイルスの手口も複雑化しているから、コンピュータウイルスの防御法も多様化せざるを得ない。四方八方から飛んでくる弾丸を全て一手に引き受けなければならないからたいへんなのだ。しかも、攻撃する側は日々新たな方法を考えて防衛のスキを突いてくる。新しいウイルスが見つかれば、すぐさまそれに対応した「防衛法」と「ワクチン」を作らなければならない。そのためにはアンチウイルスソフトは、常に最新の物にアップデートしておかなければならない。不断にアップデートすることがこのソフトの宿命である。最新のものになっていなければその存在理由はたちどころになくなるのである。
 いたちごっこの戦いは我々ユーザーの負担となる。毎年新しいアンチウイルスソフトを買い換えなければならず、しかも絶えずアップデートして最新のバージョンにしておかなければならない恐怖感を我々に植え込む。こんな面倒なこと、20年前には考えられなかった。文明は進化発展し、より良き社会が実現してくると信じていた。進歩の美名の背後に人間の悪と退廃の陰がしっかりつきまとっている気がする。
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by weltgeist | 2009-08-06 22:25


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